Kan-Kan の雑記帳


2007年1月31日

 「アライブ」 サントリー、ラクビーチームの新監督清宮さんの掲げたスローガン。倒れない、走り続ける、という意味なんでしょう。シンプルなわかりやすい表現で選手を引っ張ってゆく。カリスマ監督のお手並み、楽しみです。

 宵の7時半、明るい月を眺めながら自転車で帰宅。12月13夜の月です。宵の明星は見逃しました。

 暖冬です。いつもこの時期は職場の隣の中学のプールが凍っているのに、この冬は凍る気配もありません。金剛山の雪も見えません。ふるさとの家の軒でもう梅が開き始めたそうです。

 このまま一気に春かとも思いますが、そう簡単に冬将軍が引き下がるものでもないでしょう。明日から寒波来襲とか。寒がりの私ですが、ちょっとは寒い時期も必要です。暖冬の翌年は不作といいます。

2007年1月29日

 帰途、疲れていたので、急行を一本パスする。次の便で無事に座れてほっとしていたら、目の前に妊婦とおぼしきご婦人が・・・。仕方なしに席を譲ったけれど、碌ににお礼も言わない。ぶすっとして、立って本を読んでいて、しばらくして目の前の座っている姿を見ると、どうも妊婦ではなかったみたい。がっくり。怒ったように見えてたのは妊婦と間違えられたと解ったからかなあ。ややこしい体型にややこしい服着るな!あ、どこかの大臣並の発言でした。反省!

 汚い川の上位を争う大和川も見ようで美しい。特に冬の朝、もやった川面で朝陽を受けて動き出した水鳥を撮ろうと幾人ものカメラマンが水際でカメラを構えています。その姿もいい。

 いよいよ年度末。3年間やってきた講習もあと3回。明日の題材は「鉄道員(ポッポヤ)」。娘をなくすシーン。浅田次郎さんの哀感迫る文章の妙に、準備しながら、うるうるきてしまう。今もうまいけれど、デビュー当時の筆は、技巧に走らず、清冽な美しさです。

 夏目漱石の奥さんは悪妻として有名だけれど、あの癇性の亭主では苦労したと思います、。私は奥さんに同情派。その彼女が20年の夫婦生活を回想した「思い出」。記録は女婿の松岡譲。大作家は人あたりはいいときはいいけれど、短気で、客にも怒鳴りつけ、幼い息子達にも殴る蹴る、まして奥さんは・・・。でも微妙な絆があるのです。そのあたりがおもしろい。

 漱石自身は否定していますが、東京から愛媛へ流れたのは、眼科で知り合った美しい女性への思いが叶わず、被害妄想になったからという話。勝手に縁談を壊しただろうと親や兄を疑って騒ぎまくる20代後半の漱石のエピソードに、後の妻は狂気をみます。

 「とにかく想像の上に想像を重ねていって、しまいには一つのりっぱな事実ーそれは自分だけにわかって、人にはわからないーを作ってしまう、こうした病的な頭をわたしはそれからもしばしば見てきております・・」ので、どうも本当だったろうというのですが・・・。 

2007年1月28日

 全豪オープンテニスの男女決勝。女子のシャラポワはトスで勝ったのに、サーブを譲って、セレナの先行を許しました。サーブの調子がイマイチだったとはいえ、やはり思い切って打ってゆくべきだったと思います。セレナは膝の故障から完全復活、見事な強打でシャラポワを封じました。

 男子はやはりフェデラー。一方的だった女子決勝と違って、勢いのあったゴンザレスと見応えのある打ち合いで第1セットからタイブレーク。その最初のポイントでリターンオーバーしたとみんなも思ったボールにチャレンジ(映像判定に持ち込む要望1セット数回と決められています)を使ったら、セーフ。これで流れを引き寄せました。それにしても勝負強い王者。終わってみれば3−0の快勝。それも今大会1セットも落とさなかったという快挙でした。

 こちらは12月に10数年続いた日曜テニスを控えて、のんびりすることにして以来、テレビと読書三昧の休日。ビデオも見れて、手紙も書けて、仕事も少しして、月曜を迎えるのに大分楽です。なんでもっと早く思いつかなかったのだろう。でも昼からのワインとビールで体重が増えているのがやはり気になります(苦笑)。

2007年1月27日

 強い西風の中でテニス。風は冷たいけれど、日脚は長くなり、春の近さを感じます。コートサイドでミルクティを飲んでいると、うっかりスプーンを落としてしまう。「3秒ルールOK!」と言って拾って、ふつと吹いてそのまま使うと、えらく受けました。不二家はどうなるのでしょう?古市駅前の店も客は入ってないみたい。


「沈黙は金曜日」 永六輔 編 より

 昔の映画を見ていると、役者達が余計な演技をしていないことに気づきます。余計なことをやらせない。そこが演出というものでしょう。

 確かに、小津も溝口も黒沢もヴィスコンティも役者を完全に統制しています。でも、それに染まり切らないで自由に演技しているように見せる強者もいます。たとえば杉村春子さん・・・。

2007年1月25日 その2

 京都から神奈川に繋がる親族連続殺人事件。怖い。被害者である大叔父にその息子が電話したとき、親戚の者が泊まりに来ていると言ったそうですが・・・。電話の傍に、殺意を抱いた男がいたのですね。サスペンスドラマなんてぶっ飛ぶ事件です。

 「拝啓父上様」がやはり面白い。今夜は、亡くなった政界の大立物の愛人と妻という立場で、八千草薫と森光子という女優の火花散る競演。70,80になっても、気力溢れる若々しい演技。見事で喝を入れられた思いでした。

 懐かしい「ジェットストリ−ム」の回顧がテレビでやられていました。学生時代、まだFM東京が試験放送だったころからの愛聴番組でした。きれいなストリングス、そして、城達也さんの気障な声・・・。

 でも、今夜、25年続いた放送の最後の声を聴いて、その暖かみに驚きました。声も読みも人生で磨かれるのですね。


「沈黙は金曜日」 永六輔 編 より

 本屋では「万引き」とはいいません。同じことですが「欠減」といいます

2007年1月25日 その1

 若年性認知症の中で多いのは、アルツハイマーではなくて、ピック病と言われているものだそうです。感情、判断が乱れ人格が変わる。若くて体力がある分、周りに迷惑を掛ける・・・。

 大声で叫ぶ、歌う、傍若無人に振る舞う・・・テレビで生々しい映像を見ていて、恐怖にかられました。癌で早く死ぬのも仕合わせかも、なんて言いつつ、嫁ハンと顔を見合わせる。


最近印象に残った言葉

 「ハサミの値札」・・・・昨夜のラジオで聴いた言葉。

 どんなに切れるハサミでも、自分の値札は切ることが出来ない。他の力を借りなければ、自己変革は出来ないのかも。NHKも関西テレビも自分のところの不祥事はきっちり報道できない。警察は自らの事件を解明しきれない。なるほど。文部科学省は自らを教育できない!

2007年1月23日

 午後11時。月が沈み、オリオン座が中天に。「冬の三角形」が鮮やかです。冬の星座は美しい。

 塚山の 天狼父に 紛れなし   角川春樹

 天狼はシリウス。逆三角形の支点です。角川氏は確執のあった父の墓の上の輝く星を見上げています。天上の父は波乱の人生を歩む息子をどう見ているでしょう。こちらも「華麗なる一族」です。

2007年1月21日

 「混浴露天風呂殺人事件」 20年近く続いたシリーズもファイナル。私が好きだと知っていて、心配してくれる友人達。でも、大丈夫。ええ加減なつくりの番組だから、また、スペシャル、特番で復活することでしょう。それにしても、木の実ナナのスタイルの衰えないことは、驚くばかりです。

  と、思いつつ見たら、最後だからでしょうか、今までより丁寧なつくりでした(苦笑)。


ビデオでガマン(1月21日記)

 「M」

 古いドイツ映画の名作をやっと見ることが出来ました。「M」と言えば、ヒチコックの「ダイヤルMを回せ」が有名ですが、これはその手本ともなった古典。フリッツ・ラング監督の演出テンポは現代以上に早くて、小気味いい。

 少女誘拐殺人が8件続いてパニックに陥る街。犯人は変質的な若者で、挑戦状を新聞社に送りつけるふふてぶてしさ。一方、警察の厳しい操作、検問に動きが取れなくなった犯罪組織も、浮浪者達を使った独自の捜査網を敷いて犯人を追いつめる。決め手は犯人がいつも吹いていた口笛。それを見抜いたのは目の不自由な風船売り。

 いろんな小道具が見事に効いて、サスペンスを盛り上げます。特に白墨で書かれたMの文字がすごい。犯人役のピーター・ローレも大きな目の表情を見事に使って狂気を演じます、今の時代に共通する犯罪と、人間心理も描いて、やはり名作というものは色褪せないものだなあと感心させられました。

2007年1月20日

 京都駅の朝。小雨。大きい柱の前に立つ若い女性。仕立ての良いコートをきちんときて、大手会社の社員風。何しているんやろ?やがてやってきた中年男に丁寧に声を掛ける。きちんと距離を置いて、礼儀正しくしゃべること1分、礼をして静かに立ち去る女性。

 中年男性は次の柱でも声を掛けられる。同じような若い女性が声を掛け、今度は男を見送る。男は後ろも見ずに駅ビルの一階のコーヒーショップに入ってゆく。今度の女性はそれをじっと見送っている。

 あれはいったいなんだったのだろう。男の様子は会社員というより、マスコミ関係みたいに見えたけれど・・・。まあ、それを隣のカフェからじっと見ている見ているこちらも変なおっさんではありますが・・・(笑)。

 伊沢八郎さんが亡くなりました。「ああ上野駅」は忘れられない歌です。でも、あの1番と2番の間奏の「故郷の廃家」には意味があったのでしょうか?どちらも好きな歌だったのでずっと気になっていました。

 「逝く人」の欄で書き忘れた青江美奈さんの追悼番組が改めてBSで放映。クラブ歌手の実力を遺憾なく発揮。それを踏み外さず歌い続けました。ブルースが多かったけれど、ラテンやシャンソン、ジャスもうまい。人柄もよさそうでした。

 個人的には「長崎ブルース」が好きでした。

 泣いて縋れば 好きだと抱いて 解かせた帯紐 南蛮屏風 硝子の絵にさえ 紅が付く 丸山切ない 恋灯り・・・色っぽくて、下品に落ちない見事な歌唱でした。


舞台も大好き(20日記)

 「クレイジー・フォー・ユー」

 見たかったミュージカル。下の息子の共済でチケットが取れたというので、夫婦で勇んで「京都劇場」まで行って参りました。時間がなかったので、思わず天王寺から関空特急「はるか」に飛び乗る。これだと京都駅まで42分の快適な旅。らくちんシート。630円の特急料金はもったいないけれど、たまにはまあいいかっ!抜け目なく発車直前にキオスクで買い込んだ日本酒を啜り、竹輪を齧りつつ、沿線の街の灯や大山崎の夕景を眺めているうちに到着。京都駅ビル内にある劇場は交通至便。エントランスもいい感じです。

 「鹿鳴館」の後を受け、昨秋からのロングラン。劇団「四季」の巧妙な戦略で、安定した動員と一定レベルの舞台が保証されている感じです。客は30代から40代のカップル多し。

 ダブルキャストどころではありません。4人が交代で主役のボビーを演じています。お目当ての加藤敬二さんには当たらなかったけれど、ナンバー2?と言われる荒川務さんの出番に当たったので、まあいいか。

 ブロードウエイのヒットミュージカルで3度も映画化されているそうだけれど(映画題名は「ガール・クレイジー」)どれも見ていません。最後がジュディ・ガーランド主演のものですから無理もありませんが・・・。その時のボビーはミッキー・ルーニー。小さくて小太りで・・・これはちょっとミス・キャストかな?

 ニューヨークの銀行の跡取り息子が、金儲けや銀行経営よりダンスにうつつを抜かす気楽なアホぼんで、業を煮やしたママが、修行させるつもりで西部の町へ廃れた劇場の差し押さえに行かせると、アホぼん、ボビーはその劇場主の一人娘に一目惚れ、すったもんだの挙句、歌って踊っている間にすべて解決、ハッピーエンドというお決まりの展開。

 ロングラン公演だけに、手馴れた進行と、ガーシュンの名曲と、切れのよいダンス(振り付けはすばらしい)で見せてくれます。

 荒川務さんも、かつてのアイドルから完全脱皮、のびのびした肢体をフルに使って踊りまくり、また、育ちのよいぼんぼんのだらしなさ、憎めなさと愛敬もうまく出しています。ヒロインも奮闘、バックのメンバーもすべて力演。

 でも、感動が伝わらない。ひとつには、セリフは四季らしく明瞭だけれど、歌がイマイチなこと。和田誠さんも参加している翻訳を、歌いこなせていない。もとがガーシュンの名曲ぞろいなのも辛いところです。「サムワン・ツゥ・ウォッチ・オーバー・ミー」なんて名曲はみんなが知っているだけに、歌いにくいだろうし、また客の期待が大きい分だけ難しい。

 もうひとつ、やはりテーマです。名曲ときれいな踊りと衣装で魅せれた1930年代はとっくに過ぎていて、再演するならもう少し現代的味付け、追解釈が必要です。第2次世界大戦を経て、ミュージカルは社会性を追求し、また人間ドラマとしてのテーマも深めてきました。「ミス・サイゴン」や「レ・ミゼラブル」しかりです。

 若い男女が結ばれるための障害、身分の差や、地域性、慣習の違いなどを乗り切ってゆく勇気などをもっと前面に押し出せばよかったのでは。 観客席は9分の入り。4月以降のロングランも決定しているようです。アンコールは5回、1階はすべてスタンディングオベーション。われわれは2階。嫁ハンは半分眠っていました。  

2007年1月18日

 八尾の幼児投げ落とし事件。罪もない子供を、祖母の目の前で・・・ひどい行為だけれど、軽い知的障害というのが難しいですね。でも、こういう事件を起こせば、施設に帰らないで済むという判断は出来たんだ。付き添いの人もいたけれど、間に合わなかったとか。こういう事件が起こると、即、知的障害者は外へ出すな、という短絡的な意見が拡がるのも怖い。

 以前に京都で、知的障害の方々に付き添って散歩している10人くらいのグループに出会いました。そのうちの一人が常にジャンプしているので、車道に飛び出さないように、がっしりした男の人が、ベルトとベルトを繋いで、必死で引っ張っていました。二人とも汗だくで・・・。

 多くのボランティアや家族、職員のサポートも受けて、共生、また自立の道を探っている人も多いのだから、このような事件がその道を閉ざすことを懼れます。もちろん、事件の再発を防ぐ手だても必要です。今回は再犯なのだから、もっと周囲の注意が必要でした。幼児が死ななくてよかった。


最近読んだ本(1月18日記)

 「超」怖い話B  平山 夢明 編著

 生徒がメチャ怖い、夜、眠れなかった、と薦めてくれたので、借りて一晩で読む。文庫本に24の短い話が詰め込まれている。幽霊、霊魂、祟り・・・確かにちょっと怖い素材もあるけれど、その素材を活かす文章がないので、盛り上がらない。惜しい。こんなんで怖がったらあかんでー、と言って返すと、もっと怖いのを持って来ますという。ちょっと楽しみ。

2007年1月17日

 あれから12年。追悼のセレモニーを見ていて、ついこの間のことのように思うけれど、もう震災を知らない小中学生の為に、語り伝えるセミナーなどが出来ているようです。神戸市民で震災未経験者が3割を超えたとのこと。

 追悼集会に全国から集まって来た遺族達。当時大学生の息子さんや娘さんを失った親の姿、涙に胸が詰まりました。もう13回忌が済んだのです。震災犬、震災猫も次々死んでいっているようです。

 母子心中と見なされた事件は殺人事件だった!?(17日夕刊)それって、殺された母子の親族の気持ちは・・・。

 義母はご機嫌で台湾旅行から帰国。夜の関空は光溢れて綺麗でした。

 ゴールデングローブ賞は以下の通り。これでアカデミー賞レースが一斉に佳境に入ります。菊地さん残念でしたが、ノミネートされただけで、もうネームバリューが十分上がりました。


 第64回ゴールデングローブ賞主要部門受賞結果

 最優秀作品賞(ドラマ部門)

『Babel/バベル』

■ノミネート
『Bobby/ボビー』
『The Departed/ディパーテッド』
『Little Children/リトル・チルドレン』
『The Queen/クイーン』

 最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ部門)

『Dreamgirls/ドリームガールズ』

■ノミネート
『Borat/ボラット』
『The Devil Wears Prada/プラダを着た悪魔』
『Little Miss Sunshine/リトル・ミス・サンシャイン』
『Thank You for Smoking/サンキュー・スモーキング』

 最優秀監督賞

マーティン・スコセッシ
『The Departed/ディパーテッド』


■ノミネート
クリント・イーストウッド『Flags of Our Fathers』
クリント・イーストウッド『Letters from Iwo Jima』
スティーブン・フリアーズ『The Queen』
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『Babel』

 最優秀主演男優賞(ドラマ部門)

フォレスト・ウィテカー
『The Last King of Scotland/ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド』


■ノミネート
レオナルド・ディカプリオ『Blood Diamond』
レオナルド・ディカプリオ『The Departed』
ピーター・オトゥール『Venus』
ウィル・スミス『The Pursuit of Happyness』

 最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)

サシャ・バロン・コーエン『Borat/ボラット』

■ノミネート
ジョニー・デップ『Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest』
アーロン・エッカート『Thank You for Smoking』
キウェテル・イジョフォー『Kinky Boots』
ウィル・フェレル『Stranger Than Fiction』

 最優秀主演女優賞(ドラマ部門)

ヘレン・ミレン『The Queen/クイーン』

■ノミネート
ペネロペ・クルス『Volver』
ジュディ・デンチ『Notes on a Scandal』
マギー・ギレンホール『Sherrybaby』
ケイト・ウィンスレット『Little Children』

 最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)

メリル・ストリープ
『The Devil Wears Prada/プラダを着た悪魔』


■ノミネート
アネット・ベニング『Running with Scissors』
トニ・コレット『Little Miss Sunshine』
ビヨンセ・ノウルズ『Dreamgirls』
レニー・ゼルウィガー『Miss Potter』

 最優秀助演男優賞

エディ・マーフィ『Dreamgirls/ドリームガールズ』

■ノミネート
ベン・アフレック『Hollywoodland』
ジャック・ニコルソン『The Departed』
ブラッド・ピット『Babel』
マーク・ウォルバーグ『The Departed』

 最優秀助演女優賞

ジェニファー・ハドソン『Dreamgirls/ドリームガールズ』

■ノミネート
アドリアナ・バラサ『Babel』
ケイト・ブランシェット『Notes on a Scandal』
エミリー・ブラント『The Devil Wears Prada』
菊地凛子『Babel』

 最優秀外国語作品賞

『Letters from Iwo Jima/硫黄島からの手紙』(アメリカ)

■ノミネート
『Apocalypto/アポカリプト』(アメリカ)
『The Lives of Others/善き人のためのソナタ』(ドイツ)
『Pan's Labyrinth/パンズ・ラビリンス』(メキシコ)
『Volver/ボルベール』(スペイン)

 最優秀アニメ賞

『Cars/カーズ』

■ノミネート
『Happy Feet/ハッピーフィート』
『Monster House/モンスター・ハウス』

 最優秀脚本賞

『The Queen/クイーン』

■ノミネート
『Babel/バベル』
『The Departed/ディパーテッド』
『Little Children/リトル・チルドレン』
『Notes on a Scandal』

 最優秀音楽賞

『The Painted Veil/五彩のヴェール』

■ノミネート
『Babel/バベル』
『The Da Vinci Code/ダ・ヴィンチ・コード』
『The Fountain/ファンテン』
『Nomad』

 最優秀オリジナルソング賞

“The Song Of The Heart”『Happy Feet/ハッピーフィート』

■ノミネート
“A Father's Way”『The Pursuit of Happyness/幸せのちから』
“Listen”『Dreamgirls/ドリームガールズ』
“Never Gonna Break My Faith”『Bobby/ボビー』
“Try Not To Remember”『Home Of The Brave』

2007年1月15日

 なんとバラバラ殺人の好きな最近の世相です。なんでやろ?流行なんですか?

 いもうとに 揚がりし凧の 糸持たす    甲斐 遊糸

 昔や差しかったお兄ちゃんが、今は妹を殺して刻みます。

 伏見へ蔵開きに行った友人からお土産に「蒼空」(ソウクウ)をもらう。あえて古酒を所望しました。おいしい。4合をそのまま、ロック、ぬる燗で一気にいただく。アテは昆布にソフト鱈と蒲鉾。疲れ切って帰ってきた寒い夜。これが仕合わせ。


「週間金曜日」 永六輔のコラム「無名人語録」から

 「精神科の患者は当人が治ろうとしている間は治りませんね」

 それはあるかも。

 「天才といわれている人は病気なんですね。でも、それを治すと、普通の人になっちゃいますからね」

 普通はすごいことだけれど、普通ばかりじゃつまらんもんね。

 「公立の美術館としては死んだ作家か、外国の作家で展覧会をやっています。日本人の生きている作家をやると、同業者の足の引っ張り合いで疲れるんです」

 芸術家の嫉妬も怖い!


ビデオでガマン(1月15日記)

 「スイング・タイム」(有頂天時代)

 古き良きハリウッド全盛期のミュージカル。フレッド。アステアとジンジャー・ロジャースの黄金コンビの快作。アステアの躍りは、セクシーでダキナミックなジーン・ケリーの対極にあり、軽やかでエレガンス・・・すばらしい。群舞の中にいてもふわっと浮いて見えます。モノクロなのに却って豪華、ガラスばりのセットで白いドレスと黒い燕尾服で踊りまくる二人はゴージャスです。

2007年1月14日

 新年会で軽い二日酔いでしたが、朝5時半に起きて、義母を関空に送ってゆく。俳句仲間と台湾旅行に出かけはるのです。義父が亡くなってから1年半、初めての海外への遠出です。それだけ元気になってええことやと賛成。ところが、関空についても集合場所がわからない。

おかあさん、パンフレット見せて、あれ、そのビニール袋は?
ああ、朝ご飯を食べる時間が無かったので、サンドイッチを持ってきたの
え、機内食が出るんでしょ?
そんな、2時間しか乗らないのよ、出ないわよ
あれ、パンフレットに機内食が出ると書いてあるよ
あ、それならサンドイッチ持って帰って・・・

 もう、事前に全然パンフレットも読んでいないのです(苦笑)。今まで、あちこち旅行してはったはずなのに、あれはすべて亡きお義父さんが仕切ってはったんだ。まあ、義母は今頃きっと友人と珍道中を繰り広げていることでしょう。


大阪ええとこ(1月14日記)

 義母を関空に送り届けてから、全日空ゲートタワーホテルの54階のレストランへ。早朝6時から開いています。関西最高の高さを誇るだけに、たしかに絶景といえます。

 目の下の波立つ青い海(大阪南港、WTCや神戸の海よりはるかに綺麗)に真っすぐ伸びるビルの影、そして連絡橋。その向こうのひとまわり大きくなった空港島。さらにはるか向こうに明石大橋の白い橋脚が光っている。利用客はほとんど関空関係で、つぎつぎあわただしく食事して立ち去ってゆくけれど、我々夫婦はだけはのんびり。

 景色に見とれ、飛行機の離着陸に小さな歓声を挙げ、茶をおかわり。山際の厚い雲の隙間から陽光がスポットライトのように平野部を照らす。海の上は澄んだ青空。眠かったけれど、気持ちの良い休日の朝でした。

2007年1月13日

 発表はいよいよ明後日です。そして来月はアカデミー賞。

第64回ゴールデングローブ賞主要部門ノミネート

 作品賞(ドラマ部門)
■ノミネート
『Babel/バベル』
『Bobby/ボビー』
『The Departed/ディパーテッド』
『Little Children/リトル・チルドレン』
『The Queen/クイーン』

 作品賞(ミュージカル/コメディ部門)
■ノミネート
『Borat/ボラット』
『The Devil Wears Prada/プラダを着た悪魔』
『Dreamgirls/ドリームガールズ』
『Little Miss Sunshine/リトル・ミス・サンシャイン』
『Thank You for Smoking/サンキュー・スモーキング』

 監 督 賞
■ノミネート
クリント・イーストウッド『Flags of Our Fathers』
クリント・イーストウッド『Letters from Iwo Jima』
スティーブン・フリアーズ『The Queen』
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『Babel』
マーティン・スコセッシ『The Departed』

 主演男優賞(ドラマ部門)
■ノミネート
レオナルド・ディカプリオ『Blood Diamond』
レオナルド・ディカプリオ『The Departed』
ピーター・オトゥール『Venus』
ウィル・スミス『The Pursuit of Happyness』
フォレスト・ウィテカー『The Last King of Scotland』

 主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)
■ノミネート
サシャ・バロン・コーエン『Borat』
ジョニー・デップ『Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest』
アーロン・エッカート『Thank You for Smoking』
キウェテル・イジョフォー『Kinky Boots』
ウィル・フェレル『Stranger Than Fiction』

 主演女優賞(ドラマ部門)
■ノミネート
ペネロペ・クルス『Volver』
ジュディ・デンチ『Notes on a Scandal』
マギー・ギレンホール『Sherrybaby』
ヘレン・ミレン『The Queen』
ケイト・ウィンスレット『Little Children』

 主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)
■ノミネート
アネット・ベニング『Running with Scissors』
トニ・コレット『Little Miss Sunshine』
ビヨンセ・ノウルズ『Dreamgirls』
メリル・ストリープ『The Devil Wears Prada』
レニー・ゼルウィガー『Miss Potter』

 助演男優賞
■ノミネート
ベン・アフレック『Hollywoodland』
エディ・マーフィ『Dreamgirls』
ジャック・ニコルソン『The Departed』
ブラッド・ピット『Babel』
マーク・ウォルバーグ『The Departed』

 助演女優賞
■ノミネート
アドリアナ・バラサ『Babel』
ケイト・ブランシェット『Notes on a Scandal』
エミリー・ブラント『The Devil Wears Prada』
ジェニファー・ハドソン『Dreamgirls』
菊地凛子『Babel』

 外国語作品賞
■ノミネート
『Apocalypto/アポカリプト』(アメリカ)
『Letters from Iwo Jima/硫黄島からの手紙』(アメリカ)
『The Lives of Others』(ドイツ)
『Pan's Labyrinth/パンズ・ラビリンス』(メキシコ)
『Volver/ボルベール』(スペイン)

 アニメ賞
■ノミネート
『Cars/カーズ』
『Happy Feet/ハッピーフィート』
『Monster House/モンスター・ハウス』

 脚 本 賞
■ノミネート
『Babel/バベル』
『The Departed/ディパーテッド』
『Little Children/リトル・チルドレン』
『Notes on a Scandal』
『The Queen/クイーン』

 音 楽 賞
■ノミネート
『Babel/バベル』
『The Da Vinci Code/ダ・ヴィンチ・コード』
『The Fountain/ファンテン』
『Nomad』
『The Painted Veil/五彩のヴェール』

 オリジナルソング賞
■ノミネート
“A Father's Way”『The Pursuit of Happyness/幸せのちから』
“Listen”『Dreamgirls/ドリームガールズ』
“Never Gonna Break My Faith”『Bobby/ボビー』
“The Song Of The Heart”『Happy Feet/ハッピーフィート』
“Try Not To Remember”『Home Of The Brave』



イーストウッドとディカプリトがふたつノミネートを受けています。これが吉と出るかどうか?菊地凛子さんも注目です。

2007年1月12日

 職場で上司といろいろあって、「もうガス抜きが必要!爆発しそうや!」、と言いつつ、それでも結構あちこちでしゃべって、愚痴って、抜いて、気晴らしはできます。いい仲間がいる幸運。それにストレスが溜まるほど空元気になるという難儀な体質。

 でも、刺激的でおいしいもん食べればさらに元気になる、というわけで、谷九のインド料理に繰り出す。3000円で食べ放題、飲み放題。なんといっても、店の外まで匂うあの独特のスパイスの香り。ババドやビリアニなどの料理は香辛料がたっぷり効いている分、ビールがすすむ。インドウイスキー(これはあまり国産と変わらへん)、ワイン、焼酎のお湯割り・・・と飲みまくり、でも一次会でさっと失礼する。もう、夜中までとことん行くパワーはありません。若いモンにお任せ。


「週間金曜日」 永六輔のコラム「無名人語録」から

 「相続税を山林で物納しようとしますわな。その場合、木は全部伐って土地だけにせんとあかんのやて。税金が緑を伐っているケースがようけありまっせ」

 「道路工事で掘ったり、埋めたり、掘ったり、埋めたりすると税金の無駄遣いのようにいわれますが、あれは失業対策で、景気浮揚のためにやっているのです」

 ☆ こういう一面、見方もあるんだ。


最近読んだ本(1月12日記)

 「眉山」 太宰 治

 作者自身と思われる売れっ子作家が出入りする居酒屋。文士たちに理解が深く、ツケが効くために仲間はみんな入り浸り。その世話をする若い仲居の女の子。がさつでうるさく、文学少女気取りで主人公はいらいらする。付けたあだ名が彼女の勘違いにちなんだ「眉山」。さんざん馬鹿にして、邪険に扱いつつ、やがて彼女が死病を得て去った後、主人公は気づくのだ。彼女の健気な行為の深い意味を。

 改めて作者の非凡な才を思います。構成、文章共に見事。

2007年1月11日

 今朝、駅の改札口で定期券を忘れたことに気づく。「スルッと関西」で乗ろうかとも思ったけれど、やはり往復780円はもったいないと、家に引き返す。そのために30分の余裕を持たせて出勤しているのです。でも、以前までなら、まあいいかと先を急いでいたと思います。

 先週は、定期と間違えて「スルッと関西」を通してしまった。これも、一瞬悩んだけれど、駅員さんに申し出ると、気持ちよくクリアしてくれました。年々ミスが増えてきます。電車の一本や二本どうってことない、いらいらしたり、面倒くさがったり、忙しがったりしないで、ちょっと開き直って、まあちょっと遅くなってもいいや、と自分に言い聞かせることがやっと少し出来るようになりました。歳を取った知恵、いや老いて衰えてゆく自分を宥める苦肉の策なのかもしれません。


最近印象に残った言葉

 「週間金曜日」 永六輔のコラム「無名人語録」から

 「ベルギー、ルクセンブルク、オランダにEUの機関が集中しているのは、この3カ国が大国にならないと思われているからだ」

 「最近出産したら、母親と赤ちゃんは同室にします。母親は赤ちゃんに母親にしてもらえるんです」

 「川がきれいになってきたんじゃない。魚が丈夫になってきたんだ」

 ☆それぞれにシビアで、ウームと思わせるところあり。永さんがあちこちで集めた語録だけれど、確かに面白いものあり。

2007年1月9日

 夜来風雨声。すごい強風に襲われた連休。うっかり松飾りを外すのを忘れていました。年末に父が山から穫ってきた雄松の枝(50センチくらい)2本をもらってきて、ドアに引っかけておいたのですが、朝、見ると跡形もない。慌てて探すと非常階段の踊り場まで飛んでいっているのを発見。拾ってきて、玄関内に飾り直す。それにしてもマグネットの吊り道具はどこへ飛んで行ったのやら・・・。誰かに迷惑かけてないといいけれど・・・。

 新春恒例の彫刻展のはしご。西天満のマサゴ画廊と茶屋町の茶屋町画廊、今年はどちらもカラフルでバラエティに富んで見応えがありました。淀川和夫さんの鮮やかに輝く錫の乙女の造型のしなやかかさ、高橋宏至さんの女性像ののびやかな首の線も印象的。悪友、堀信二は両ギャラリーに出品しているのですが、それぞれ首を傾げた男女の像。特に男性像は制作過程で何度も服を脱がせたり着せたりしていたのですが、最後に時間が足らなかった気配あり。本来もっとパワーがあるのになあ。

 オープニングパーティにも参加させていただいて、酔心はじめおいしいお酒もしっかりいただく。それにしても西天満の地方裁判所の付近はレトロなビル群は。最近また脚光を浴びて、いろんな店も入っているけれど、古い日本家屋や、料亭は次々玄関に板がペケ印に張られ、釘が打たれています。場所はいいとこなのに・・・残念。

 帰りにアベノの路地裏のいつもの店に年始めの挨拶に行って、仕上げ。山海月をアテに焼酎のお湯割り3杯飲んだのに、友人のボトルだったので勘定は400円。おまけに大将から焼酎をお土産にもらってしまう。こんな客でええんやろか?古くて、ごちゃごちゃしているけれど、こころ落ち着ける店。再開発が迫っているけれど、なんとか持ちこたえてほしいものです。大将は大阪市の対応に怒りつつ、冷静にねばり強くがんばると言うてはりました。

2007年1月6日 その2

 川之内大根(かわのうちだいこん)ーー 暮れの30日、四国の家を出発する前に、荷を車に積み込んでいたら、義妹が、おにいさんこれこれ、と大根を3本持って走ってくる。あ、大根はさっき畑で抜いて、もう入れてあるけんええよ、と言うと、これはもらった川之内大根よ、ほれなら貰って行くわ・・・。

 実家の村の3つ上の集落が我が町の最奥の村、川之内です。そこの峠を越すと、玉川町、最近脚光を浴びている今治の奥座敷、鈍川(にぶかわ)温泉もあります。標高も高く、気温も低いので、下流とは違った野菜が採れ、かつ、おいしい。今は数軒しか住んでいないようだけれど、大根はこの地域の特産品なのです。

 さっそくおろして、いくらやジャコを載せていただく。思いこみでしょうか、水分の具合か、身の締まり具合がよく、なぜか微妙に実家で採れたものと味が違う。また、酒が進みます。

 ヘルシーバイキングーー心斎橋そごう百貨店の13階。和食「五風」(ゴフウ)が始めた昼夜のバイキング。興味半分で行ってみました。和え物やささやかな煮物まで結構おいしい。これはお得です。


最近読んだ本

 「どんぐりのココロ」 重松 清

 転校を重ねて、友達も出来ず、さらに吃音の小学生の主人公を待っているのはイジメ。学校へ行けなくて辿り着いた公園で出会ったホームレスのおじさんとの交流。でも、おじさんのささやかな言葉で立ち直った主人公の学校への回帰で、ふたりのつながりは永遠に途絶えていまう・・・。胸を打つ少年の成長記です。 

2007年1月6日 その1

 短大生バラバラ殺人の容疑者は弟ではなく三浪中の兄だったのですね。初期の報道で弟と思い込んでいました。兄妹でも言ってはならないことを言ってしまったのでしょうか。それにしても、魚が死んだから匂いがするかもしれないと言い置いて、切断した死体をクローゼットに遺し、普段と変わらぬ様子(どんな様子だったでしょう?)で予備校の講習に参加していた容疑者の心理が不可解です。

 田辺聖子展のパネルに箴言が連ねてあり、そこに「兄弟だからといって親しいとは限らない、捻れた親族関係ほど重く苦しい。血は水よりも薄い」というのがありました。

 今年初めて行った整骨院で、隣にいたおばあちゃん。私と同年輩の息子さんらしきおっちゃんが待合室で座ってはる。「正月前の餅つきで餅を捏ねてましてな、首と肩が痛うて・・・」四国の母と同じや!思わず握手しようと思いました。早速帰って電話で報告。暖かくなったらマッサージに行きや、と言っておきました。


最近読んだ本(1月6日)

 「地下鉄(メトロ)に乗って」浅田次郎

  映画にもなった話題作。前半のムード作りは最高。でも、タイムスリップが主人公の出生に秘密で安易に完結するところが寂しい。浅田次郎さん、うまいけれど、これはハズレ。

 「偶然の祝福」 小川洋子

 作家はなるまでに、さまざまな過程を自分の作品の骨肉にする。そういう意味で、この作品は優れた自伝的エッセイを超えて、見事な小説に昇華している。いい作品です。

2007年1月5日

 同僚達はこの冬は海外組多し。カンボジアのアンコールワット見物、シベリアへオーロラ、ラスベガスへプリンスのショー、韓国グルメツアー・・・それぞれ豪華、ステキ。お土産もいろいろ。

ところで、菅さんは?
もちろん、僕も海外へ。
え?どちらに、何しに?
四国へ、餅搗きに。
ここでどっと倒れるのが、職場の毎年の年明け恒例ギャグとなっています。
みんな飽きずにやってくれるのが嬉しい。
今年は田舎の「塩餡餅」(しおあんもち)を焼いて食べてもらう。好評でした。
電話で報告すると、母は喜んでいました。

 昨日の息子の話。書きながら整理できました。もう小学生じゃないんだから、放っておけばいいのですね。就職と同時に家から出せばよかったのに、なまじ同居してしまって、生活費を入れさせているものだから、ついこちらも食事に拘ってしまう。下宿人と割り切って、きちんと食事の要不要の連絡を入れるように始めからさせておけばよかったのかも。

 まあ、すぐに結婚や独立してゆくだろうと思って、親も子供も今が一番気楽な時期だ、適当にやっておこうと思ったのです。それがもう一年余り。このまま息子達がパラサイトになってゆくのではないかと思い始めました。あまり居心地のよい家にしてはいけない。そろそろ追い出しにかからねば、と思った年の初めです。

 後半休を取って、嫁ハンと待ち合わせ、「田辺聖子展」へ。70年余の人生の歩みを手際よくまとめてはります。それにしても、すごい努力をしながら、言葉では「適当に」「ぼちぼちと」と表現しはる。好きなことに巡り会い、いい伴侶と組み合わさった幸運はあるにせよ、それを持続させ、放さなかった、人間としての腕力は確かです。

 まあ、いろんなきれいなコレクションの多いこと。ヌイグルミ、小物、万華鏡、バッグ、服、人形、ガラス瓶・・・もちろん書籍は別でしょうから・・・どんな家に住んではるんでしょう?

 関連グッズもいろいろ売ってはる。嫁ハンは黄色いパーカーを着たスヌーピーの小さなぬいぐるみを購入しました。12日まで心斎橋「そごう」で。

2007年1月4日

 息子達は3が日ずっと仕事。私は今日が仕事始め。交代で息子達が休むのかと思うと、また出勤だという。どこもハードなのね。いつ休むのだろう?

 12月の忘年会の2次会で、息子達が忙しいらしくて、帰ってきてもただいま、と言って、折角準備した食事にも手を付けないで寝てしまうことがよくあると、ぼやいたら、何言うてはりますのん、ただいま言うだけまし、疲れているんだからそっとしておいてあげなはれ、と息子を庇う意見が大半(といっても、居酒屋のママと常連数名のうちの話)なのに驚く。私は孤立。心外。

 親が準備した食事に手を付けないなんて、私の時代では考えられない無礼、失礼、マナー以前の問題と思うのですが・・・それを言うと、昭和ヒトケタまでの話でしょう?と問題にもされない。古いのかなあ。

 40年以上前、小学校の時、朝寝坊して、そのまま登校しようとすると、首根っこを捕まえられ、遅れてもいいから食事だけはしてゆきなさい、と叱られました。食事もしないで学校へ行って、もし何かあったら親は一生悔やむだろう、と言うのです。必死で食べて、必死で走って登校しました。吐きそうでした(苦笑)。

 そんなことは今の時代には通用しないのかなあ、きちんと朝食も夕食も摂らない若者が増え続けているようです。間食と夜食が中心なんですね。「食育」という言葉も今更という感じがしますが・・・。

 東京の女子短大生、バラバラ殺人は弟が逮捕される。医学部を目指していたという弟との間に何があったのでしょう? 

2007年1月3日

 箱根駅伝、順天堂大学の完全総合優勝は見事でした。アンカーで区間新を出した選手は九州の白石高校の出身とか。数年前に、顔見世に行った翌朝、雪が降っていたので金閣寺に廻った時、ちょうど高校駅伝で、応援の若者に手旗を渡されたのが白石高校でした。あの時の選手の中にいたのかもしれません。

 東海道の宿場を繋ぎ、正月、箱根、富士という背景に、区間新、来年度のシード権、襷の繋ぐ制限時間、と盛りだくさんの見所を盛り込んだ優れたイベントです。本来、関東の大学の対抗試合なのに、全国的に人気が高く、九州からも人材が集まってくるのだそうです。白石高校も駅伝部が盛んで、本来は卒業後、実業団に入る選手が多かったのに、近年は箱根駅伝に憧れ、上京する若者が多くなったと解説者が述べていました。

 あの時、手旗を渡してくれた、爽やかな応援の高校生も今はどこにいるのでしょう。

 書くのは大変だったけれど、頂いた賀状は楽しみつつ読む。酒を慎んでねとか、嫁ハンの歌に関するのも相変わらず多いけれど、昨年から、まだ息子さんに検挙されていませんか、とかいう新しい家族ネタが増えました(苦笑)。

 3が日の納めは賀状の忠告にも敬意を表して(?)、酒は飲まずに過ごしました。まあ、2日間たっぷり飲んだこともあって体調がイマイチということなのですが、6日からの新年会に備えての意味もあります。今年の目標の第一はやはり健康維持ですが、新年からこれでは心許ないことです(苦笑)。


最近読んだ本(1月3日記)

 「人々の中の私」 曾野綾子

 「他人が自分を理解しないことには、まず慣れることである。・・・人間関係は、理解よりも、むしろ誤解の上に安定する・・・自分にもわかりりにくい自分の本当の姿を、どうして他人がわかることができよう。」

 この人の箴言もまた味わいあり。

「ダウンタウンの通り雨」 都筑道夫

 西連寺剛(さいれんじつよし)というと、かっこよく響くが、冴えない中年の私立探偵がぼちぼち活動する、味わいのあるシティ・デティクティブ・ロマン。たまにハワイなんぞにも行くが、基本的は東京の下町や路地裏をうろうろするのがいい。

 作者は作品のあちこちに海外ミステリーの紹介者、編集長としての含蓄もちらっと見せる。時代小説もうまいというのがスゴイなあ。 

2007年1月2日

 年末からの痛ましいニュース。2才の男の子が、忙しい親が目を離した隙に家の前の線路に出てしまって、特急にはねられて死亡。同じく2才の子が、母親がスノーボードに行った留守宅でひとりでいて焼死。おにぎりだけ置いてあったとか・・・。

 フセイン元大統領の刑死もフォード元大統領の病死も2才の子供の死も、同じ命のはずなのに・・・相変わらず命の重さは違うようです。

 テロがまた多発、事故も続いて、平和にはほど遠い世界なのに、日本は、また私は60年以上戦争のない長い平和の中で惰眠を貪っています。

 あたたかな元日に続き、静かな雨の降る2日。おだやかないい正月を送らせてもらっています。申し訳ない気分。

 年末体調を崩した母には毎日2回電話をしています。まだまだ本調子ではありません。両親は今年2月と3月でそれぞれ86才になります。気の早い話ですが、来年2008年に87才を迎えられれば、数え年で88、米寿を祝えます。来年の正月明けにその祝いをしようと兄弟でプランを組んでいます。目標が、楽しみがあれば、生きる糧になる。

 今年は老親を思う年になりそうです。

 やはり正月のテレビは見所多し。元日午後はタカラヅカの舞台から、ウィーンフィルのニューイヤーコンサート、そして後の人物ドキュメント、岸惠子、田辺聖子、辰目芳子、佐伯チヅ、それぞれの人生の重さ、すごさ、持ちえた箴言の重さに圧倒されていると、そのあと「あの人に会いたい」シリーズの再放送で、沢村貞子、幸田文、三浦綾子が登場。もう、打ちのめされました。

 2日は朝から、箱根駅伝、面白い。でも、それを中断して舞台「鹿鳴館」を見ました。これは別項で。


舞台も大スキ 「鹿鳴館」 劇団四季 (1月2日記)

 昨年秋の京都劇場での公演は、どうしても見たかったけれどチケットが手に入りませんでした。これはその前の東京、自由劇場での大評判になった公演を録画したもの。

 三島由紀夫の戯曲の代表作ですが、これが32才の時の作品とは・・・改めて感服。でも、友人でもあった演出家、浅利慶太に言わせると、戯曲を一幕書き終わると呼びつけて浅利に読んでもらい、その間、作者は顔面蒼白で震えながら待っていたそうです。あの自信たっぷりに見えた大作家が・・・。

 舞台はシンプル。鹿鳴館時代と言われた明治10年代のある年の天長節(今の文化の日)の朝から深夜まで。第1幕は影山伯爵の邸宅。伯爵は政界の大立物、夫人朝子はもと新橋の名妓。その朝子に持ち込まれた相談は、貴族令嬢と書生の恋。でもその若い男は、影山伯爵暗殺を企てていると噂の反政府運動のリーダーの息子で、かつ、朝子と昔恋仲だったそのリーダーとの間の子供で、しかも父を憎みつつ、今夜おそろしい計画を実行するという・・・。朝子は夫の為でなく、息子のため、今も愛しているかつての恋人のため、それを阻止しようと、今まで避けていた鹿鳴館の舞踏会に、女主人として初めて出席することを決意します。第2幕はその鹿鳴館。

 緊張感のある舞台、明晰で知的なセリフの洪水。演出家は、晴れた日の設定なのに、照明を極力絞ってスポットを俳優に当て、三島独特の美しいセリフを正面切って語らせます。舞踏シーンもカット(踊る人々の様子がガラス窓に映るだけ)。これは正解でした。

 女優ならだれでも憧れる朝子役。野村玲子さんは流石の美しさ、存在感でした。劇団四季独特の発声法は始め気になりますが、ものすごく聞き取りやすく、きちんと漢語や熟語が正確にこちらに届きます。若手もがんばっていますが、野村玲子さん、石丸幹二さんという実力派の面目躍如。でも、それを凌駕するのが伯爵役の日下武史さん。この人の声だけが発声法を超えて自然な感じまで高められ、政界の暗部を生き抜いて来たふてぶてしさ、たくましさを体言していました。

 三島戯曲のすごさを堪能しました。でも、その構築の見事さの裏の無理も少し見えたように思います。たとえば、人(息子、使用人)が容易に心を変える、裏切る。2時間余できちんと形をつけなければと思う余り、主役以外の人物造型が甘くなっているように感じました。

 でも、それは見終わってからの話。見ている間は、ひたすら美しい言葉の激流に翻弄されました。

 野村玲子さんの熱演も語り継がれるでしょうが、もと名妓の風情、色香をさりげなく出すのが難しい。幾多の名女優の名演の中で、若尾文子さん、浅丘るり子さんもよかったけれど、やはり、和服の着こなしからからして、初代水谷八重子さん(新派女優)、杉村春子さん(生家は置屋さん)に辿り着くのは、やはり生きた時代と環境がなさせるものでしょうか・・・。 

2007年1月1日

 「紅白」の楽しみは衣装(最近知らない歌手や歌が増えているから余計に・・・) 。ですから、もっときちんと映して欲しい、こう田なんとかさん(字がすぐに出ません)のセクシーなドレスもいいけれど、特に女性歌手の和服は豪華の極まり。できれば、後ろ姿や、帯もアップでじっくり見せて欲しかった。やはり梅の柄が多いのは季節がら当然なのでしょうね。

 「千の風になって」を歌ったテノール歌手、秋川雅史さんは愛媛西条市出身。町中に出場を祝う垂れ幕が溢れていたそうですが、熱唱でした。8年前に姪が死んだとき、遺された者はこの詩で癒されたものです。メロディーは好きではありませんが、やはり胸を打たれました。

 友人の作ったきぐるみは見逃しました。ごめんね。

 カウントダウンは息子のホテルで。目の前の梅田シティで催しがあり、12時になるとシティの大きなビルの窓に一斉に点灯。淀川にも花火が打ち上げられて華やかでした。

 初日の出は7時20分頃。ちょうど、雲の切れ間が東の山の上にあって、ピンライトのような初日が射してビル群が赤く染まってきれいでした。

 昼前から快晴に。ガラ空きの御堂筋を走って道頓堀へ。今日だけ開店休業という下の息子の交番に陣中見舞いに訪問。蕎麦と餅とミカンを差し入れる。上司や同僚の方にも初めてご挨拶。今まで絶対来たらアカン、来たら殺す、と言っていたのに、近くまで行ったら中に入ってと言う。少し職場に慣れてきたということでしょうか?やはり正月だから?

 午後2時、それまで運転があったので朝からガマンしてきた日本酒を、うちに帰ってゆっくり味わう。やはり正月はこれです。



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