Kan-Kan の雑記帳


2007年7月31日

 この一週間でも、俳優、ミッシェル・セロー、映画監督イングマル・ベルイマン、ミケランジェロ・アントニオーニ、そして小田実・・・20世紀後半、自分の生活に関わって、楽しみ、喜び、好奇心を刺激してくれた人物が次々去ってゆきます。

 民主党の代表、小沢さんは本当に体調が悪いのだろうか。選挙後しばらく姿を見せず。鳩山、菅を表に出すことで、却って存在感を高める作戦のように思います。したたかな駆け引き、大物度を高める計算、生き残る政治家はかくあるべき?

 赤木農相は留任せず。当然です。絆創膏事件の時の対応は選挙のイメージを決定的にしました。それがわからない幼さ。自民党には人材はいないのか、と思いました。また安倍さんの人を見る目も疑われました。

 次々と指導者が変わる国、一度選ばれたら4年は任される国、どちらにも善し悪しがあるのでしょうが・・・最近また言われる「強い指導力を求める雰囲気」や「カリスマ政治家の出現待望論」は怖いと思います。アメリカ大統領だって欠点もあぶなっかいしい所もある普通の人間なんだという認識も大事だし、きちんとした人材を選んで任せ、かつ監視する環境も大事です。

 友人のHPに、また自分の投票がクズになった、とギャグっぽく書いてあったけれど、私もこの30年余、与党に投票したことは一度もなし。でも、批判票も必要。そう思って投票には毎回参ります。友人もきっとそうでしょう。だれに入れようともちろん自由だけれど、棄権はあかんで、と息子たちにも言い続けてきました。投票日、勤務のあったふたりは不在者投票に行ったようです。家族で政治の話はするけれど、選挙に関しては夫婦・親子の間でも相談はなし、4人それぞれ、誰がどこに入れたか、全くわからない菅家です。 

2007年7月30日

 朝7時に腹痛に苦しむ嫁ハンを病院に運んで、その足で学校へ。近くのパーキングを都合してくれた同僚に感謝。講習や就職指導の準備をしていると、メール。急性虫垂炎ですぐに手術が必要とのこと。仕事をまた、同僚に振り分けて頼んで、飛び出す。9時過ぎに病院に到着。

 いつも口げんかをしているが、こういう時に頼りになるのが義母。大きな紙袋を抱えて駆けつけてくれる。中に私と二人分のウナギ弁当が。「今日は土用だからね、入院騒ぎで食べ損ねたらあかんと思うて・・・」しっかりしてます。

 そのウナギ弁当を食べながら・・・
「お義母さん、またお義父さんに怒鳴ってきたの?」
「ええ、迎えに来たら承知せえへんよ!と言って仏壇の扉、バタンと閉めて出てきたわ。
「オー怖、普通なら、お義父さんにしっかり娘を見守って下さいね、と手を合わせるところですよ!」
「ええねん。それより、私の下着もいっぱい持って来たからね。安心して。」
「お義母さん、それはいくらなんでもムリ!下着は僕が家に取りに帰ります」
「何言うてんの!私は6キロも痩せたのよ。それにこの娘は結構お尻大きいんやから」
「それにしても限度があります!象さんとウサギさんは違います。」
「大は中を兼ねるでしょ!」
 看護士さんから少し静かにするように注意を受けました。

 手術室は病院の地下。傍の家族室で待機すること1時間余。局部麻酔なので案外しっかりした顔で出てきたので安心。摘出した虫垂を囲んで医師より説明あり。義母は目を背けているが、私は虫垂を初めて見る(8年前は子宮を見た)ので興味津々。しげしげと眺める、赤黒く、痩せたミミズ、ふっくら焼けた姫貝の干物のよう。ぷくっとして白くなっているのが化膿した部分らしい。2カ所ある。これが裂けると膿が腹膜に拡がって大変なことになるのですよ、明日ならあぶなかったですね、と言われほっとする。手術前の説明で心配していた大腸との癒着も無かった模様。

 病室に帰って、嫁ハンが眠ったのを見てから帰宅。息子達にメール。あちこちからの心配メールに返事。ありがたい。我が家での2回目のはずだったPL花火見物パーティは中止の旨、連絡を廻す。

 そして、一気に昨日から溜まっていた洗濯にかかる。昨夜来の雷雨は去り、空も晴れて、風も吹いてきた。ビールをあおりつつ、ベランダいっぱいに干しまくる。いい気持ち。シャツはまとめてクリーニング店に放り込む。夕食はもちろんビールと酒のアテばかり。息子達が懼れている「主夫の季節」が戻ってきました(笑)。

2007年7月29日

 夜来雷雨声 今、30日、午前4時45分ですが、鋭い雷鳴に二人の息子も起きてきました。見る限り停電している地域はないようです。目の下の古墳は静まりかえっていますが、古代、まだ木も生えていない、白い石で覆われた墳墓が稲妻に白く光る・・・そんな雷雨の夜は、人々はどんなに不安な夜を過ごしたことでしょう。

 友人が早速選挙結果の感想を問うてきました。わたしの返答

 自民党敗北の主原因とされる年金問題はすべて安倍政権の責任とはいいがいたいですね。
 でも、閣僚のトラブルについては任命責任があると思います。
 まあ、これで引責辞任というより、もう少しやってみていいと思います。まだ10ヶ月。
 それにしても、もっと、首相として、きちんと元気よくアピールしてほしいですね。若さがパワーが感じられない。


 政治家はもっと明るくタフでなくっちゃ。
 民主党が勝ったと騒ぐのもおかしい。小沢さんは自民党より自民党らしい人ですし・・・(苦笑)

 今回は投票するのにかなり悩みました。

 私の検査騒動が一段落したと思ったら、今度は嫁ハンが原因不明の腹痛に。日曜だったので、結局、救急病院に連れて行ったのですが、検査は出来ず、点滴と薬をもらっただけ。まだ痛みが治まらないので、この雷雨の中ですが、夜が明けたら、改めて病院に連れて行きます。

2007年7月27日

 人間ドック初体験。一泊のものもありますが、とりあえず「日帰りコース」を申し込んだらこの日に当たる。先日精密検査を受けたので、胃カメラはパシ。スタッフは手馴れていて、スムーズに流されて1時間余りで終わってしまう。

 でも、マニュアルが確立している分、個々のスタッフの人間性がでますね。笑顔でいい感じなのに、語尾がおかしかったりして。「右を向いて!」と「右を向いてください」では全然違うし、また、同じ言葉でも、言い方によって聞く側の印象は随分異なってきます。勉強になりました。授業で使おう。

 「血尿」を巡る問診で

医者「出血は止まっていますね。痛みはないのですね?」
私「はい。ですから、もう小さな結石で、落ちた後かも・・・」
医者「その可能性は高いですが、膀胱癌の可能性も残っています。」
私「え?、癌なら出血も続くし、痛みもあるんじゃないんですか?」
医者「膀胱癌の初期は出血もまれだし、痛みがないのが特徴です。前にかかっていた泌尿器科ですぐに診てもらってください。」

 で、前回の石騒動で世話になった病院に直行。すると、あの時は救急で来られて、外科で処置しました、うちには泌尿器科はありせません。前々回の病院は20年近く前でデータもないという。それならと、友人に問い合わせて、彼の通っている泌尿器科を紹介してもらって、夕方の診察にすべりこむ。ここがええとこでした。

 個人病院ですが、気持ちの良いロビーと対応。親切に話を聞いてくれて、では、膀胱と腎臓の投影検査をしましょうというので、水をたっぷり飲まされて待機。膀胱の検査には異常なし。腎臓にあ、小さな石がありますねえ、出血はやはり、より小さな石がすでに落ちたのでしょう、ということで、記念に写真を貰う。

 家に帰ると、さすがに嫁ハンもちょっと心配していたみたい。どうやった?うん、若い看護士(婦と言いたいがガマン)さんにゼリーを体いっぱい塗られて、胸や下腹部を触られて気持ちよかった、と言うと、パンチが飛んできました(苦笑)。

 それにしても、この白く写っている石はいつ落ちてくるのだろう?小さな爆弾を抱えている感じです。

2007年7月26日

 例によって、土師ノ里の駅前の小さな家(私と同年輩の男性の一人住まいの気配)の前を通って通勤。今朝は半そでアンダーシャツ一枚で庭掃除してはった。下がブリーフのようで、何も穿いていないように見える。人通りも多い時間帯やのに、困ったヤツやなあ(もうかなり親しみを感じているー名前も勝手につけているー「やっさん」)。でも、こういうスタイル、昔は朝夕に多かったものです。

 夕涼み よくぞ男に 生まれけり

 女性はなかなかこうはゆきません(最近は変わってきたけれど)。我が家も息子二人なので、夏の夕方の風呂上りなどはヌーディストビーチ状態。嫁ハンも諦めている様子。マンションの上階に移ってよかった(笑)。

 夕顔や をなごの肌の 見ゆる時

 この句は夕顔棚(ブラインドになる)の向こうに、行水している女性の姿がほのかに浮かぶ、夏の夕暮れの下町の裏庭の情景と思っていました。昔は「盥(たらい)」で行水したものです。子供は明るい時分から、大人は日が落ちてから・・・。夕顔の白い花と、女性の白い肌の取り合わせで美しい句だと思っていたのです。通りがかり、見事な夕顔棚に目を留めたら、たまたまその向こうの薄闇に女性の裸身が見えた・・・。「をなご」です、おっさんではあきまへん。

 ところが、最近読んだ、田辺聖子さんのエッセイで、この句を採り上げられていて、夕顔を眺めながら夕涼みしている女性が浴衣の胸を少しくつろげた様子だろうと書いてはったので、なるほど、そうなんだと膝を打ちました。私は深読みをしすぎたのでしょうか(苦笑)?でも、この解釈も捨てがたいでしょ?ちなみに、私にピ−ピング(覗き見)の趣味はありません!いや、土師ノ里のおっさんを見てるって・・・。

 行水の 捨てどころなし 虫の声

 そんな季節は、情景は、時代はどこへいったのでしょう。

2007年7月25日

 通勤途中、土師ノ里の駅前の小さな家。前にもこの欄で書きましたが、私と同年輩の男性の一人住まいの気配。先日は7時頃、庭を作業着で掃いておられました。どんなお仕事なんだろう?

 土師ノ里の駅近辺の工事が始まりました。駅舎改修、整備、駅前の線路の跨橋の大規模修理・・・平成23年に竣工予定と書いてあったので、ああ、あの家は、あの人はどうなるんだろう、でも、完成時には私はすでに定年を迎えているんだと、妙な思いに捉われました。

 今日もハードな一日。数人しか来ない講習だけれど、高校卒業程度検定試験まであと2週間。これで卒業が見えてくる生徒もいます。最後まで粘ってほしい。それにしても、終了間際にやってきた生徒、先生「ろんり」の過去問ある?お前なあ、それは「倫理(りんり)」やろ?

 午後からずっとパソコンの前で調査書書き。転入生も多く、また、全員が異なった3年半の学習経過を持っているので、気の抜けない非常に複雑な作業。老眼でおまけに乱視が進んでいる目にはこたえます(苦笑)。あと2日はかかりそう。

 5時半に学校を飛び出して、6時半に天満橋で嫁ハンと落ち合う。大川の北の桜の木の下でビールを飲みながら船渡御で上ってゆく船を眺める。「人形船」と書いてある数隻の小さな船が、タブグボートに曳かれて行く、人を満載した船に近寄っては、「大阪締め」をして離れて行く。「どんどこ船」という唯一漕ぎ手のいる船の動きが面白い。独特の囃子に合わせてコースを変えたり、止まったりしている。暮れて行く両岸に10メートル置きに火が燃えて水に映って美しい。

 7時過ぎから桜宮の方向に歩く。ものすごい人出。若い人、男女とも浴衣多し。それはいい。でも、着こなし、姿勢、マナーが悪い。特に10代の浴衣の女性達、どう見ても「キャパクラの浴衣祭り」の風情(嫁ハンからなんで知っているの?とツッコミあり、やかましいヤツじゃ)。化粧もけばくて不潔感あり。これが哀しい。

 花火は低くて、色も多彩。音もビル群に反響してすごい迫力あり。2カ所で打ち上げており、それぞれ水に映って効果的。それにしても人疲れしました。JR桜宮では電車に乗れず、京橋まで歩いて、駅前でビールを飲んで、気力回復して帰ってきました。1昨年の陸渡御、今日の船渡御、独特のムードがありました。水の都らしい趣のあるいい祭りです。明日からの元気をもらいました。

2007年7月24日

 先日、癌予防センターで「12指潰瘍」という立派な(?)病名をもらったばかりなのに、ピロリ菌駆除がうまくいったのかな、体調良好、ビールは特にうまい!調子に乗って飲んでました。

 梅雨明けで、これからまた一段とビールや「ひや」がおいしい。でも、やはり「ぬる燗」がいいな。

 生徒は「夏休み」といっても教師は忙しい。「高校卒業程度検定試験」(昔の大検)を来月に控えて、毎日講習。そのあと学校斡旋就職指導や、秋の文化フェスティバルにむけての会議、指導要録の記入、調査書の作製、・・・今日は昼飯をゆっくり摂る暇もありませんでした。

 それでも無理やり片づけて、7時過ぎに職場を出て、今月から再開したテニスの練習に行く。10時半に帰宅したら血尿がでました。久しぶり。今度はなんの病気やろ?尿管結石の予感がします(苦笑)。

 明晩の宴会はキャンセルして、おとなしく家で・・・いえ、嫁ハンと一度も見たことがない「天神祭」に行くことにしました(笑)。 

2007年7月23日

 ここのところずっと、授業料未払いの生徒の件で悩んでいました。今日(減免提出期限日)も、重たい気分で出勤。講習中、廊下に例の女子生徒の姿が見える、ちょっと自習しててや、と言って廊下に出ると、今、(授業料減免の)手続きしてきましたと言って、なんとも言えぬ表情。お母さんがやっと市役所へ行ってくれたんか?大変やったねえと言うと、頷いて、少し涙ぐんでいました。

 卒業の条件は揃っているから、後は溜まった授業料だ、バイトで少しでも入ったらすぐに持っておいで、少額でも受け取って貰えるように事務所に話はついているからね、と言うと、頷いて去ってゆきました。後ろ姿にがんばれよ、と声にならない声を掛ける。講習に戻ると、生徒が先生、なにかええことあったん?

 やかましい!おまえらしっかり勉強して、高卒検定に通って、卒業しいや!と渇を入れる。

 夕刻、迷っていた、大阪芸大のコンサートに嫁ハンを呼び出して出かける。大学の教員でもある河村龍一の司会で三部構成。

 第一部のクラシック、ジャズ、叙情歌編(なんという構成!)は楽団も合唱団もソリストも固くなっていて声が響かない。懐かしい「アニーローリー」も「浜辺の歌」もイマイチ。「乾杯の歌」は杯が落ちそうでした。

 第二部の学生のセンバツのバンドが予想以上によかった。みんな歌もパフォーマンスも巧い。でもインパクイトに欠ける。姿勢が悪い、笑顔が半端。タカラヅカでの精一杯の「健気な」演技を見たあとなので余計です。

 第三部は芸大OBの山根康広さんのライブ。朝五時から並んでいたという舞台前10列の熱狂的ファンがスタンディングで大騒ぎ。しらける。歌詞も聴き取れない。座れ、アホ!とバッグを投げそうになったところで、曲が私も知っている「Get Along Together」に入ると、全員すっと座って静かにペンライトを振っている、この統制の取れ方は何?

 バックの大学生のオーケストラの演奏は一部と打ってかわって元気でした。

 感心したのは照明。初めから少しスモークを焚いておいて、スポットライトが、きれいに活きる。コンピュータを駆使した見事な光のアンサンブルは広いフェスティバルホールの空間を見事に活かしていて、今日一番の見物でした。

 3時間の舞台。腹が減っていたので、帰りにアベノの「バッカス」へ寄る。世界のビール3種類で1830円だという。ベルギーの「ニュートン」、青リンゴの味。おやじギャクか?失敗。2杯目イタリア、「モレッティ」、苦いだけ。やはりワインにすべきだった。失敗。3杯目、ドイツ「ホルステン」、やっとビールに巡り会いました。正解。一応、口直しにカリフォルニアワイン。でも、二人で夜景を見つつ、あれこれ食べて5000円弱は安い。 

2007年7月22日

 朝青龍がやはり勝ちました。琴光喜もがんばりましたが・・・。中学、高校の相撲部に入部する生徒がまた減っているようです。映画「シコふんじゃった」がブームを呼んだ時代もありましたね。プールバーもどんどん潰れ、社交ダンスも一時の勢いはなく、なにかふわふわした感じでスポーツの流行も移り変わってゆきます。相撲が国技という時代も過ぎてゆきます。

 先日、デパートで買った宮崎の焼酎は「正春黒」でした。領収書が見つかりました。

 「ブルーベリーグリューワイン」   息子が貰ってきてあったのを、つい飲んでしまいました。息子が、あのワインは?ごめん、酒が無くなったので、氷を浮かべて飲んだらおいしかったよ、と言うと、お父さん、飲んだのはいいけれど、あれは暖めていただくワインだよ、と言われる。そんなワインもあったんだ。

 一応授業が金曜に終わりました。再開は8月21日。前期期末考査は9月に入ってから。これからひと月、生徒は夏休み。今日の日曜はやはり普段と違う雰囲気です。町もどこかのんびりしている。朝ゆっくり起きて、溜まった新聞を読み通すのに半日懸かりました。明日からは講習です。

 昨夏はスキップした、友人で、元同僚、書家でもある山本峰夫さんの個展が、今年、8月16日から21日まで、心斎橋「ギャラリーアングルワン」で開催されます。今夕、そのDMが仕上がりました。きれいな印刷です。今年のテーマのひとつは「屈原」。楽しみです。

 「人の噂も75日」の75日の根拠は?新聞によると、立春に始まる節季が、雨水、啓蟄、春分と15日毎に5回も巡れば季節も変わり、人の心も変わるだろうという説が有力なんだそうです。現代は75日よりもっと短い。大臣の失言や自殺も、地震も原発事故も校門での傷害事件も次々起こる事件に追われ、忘れ去られてゆきます。そして責任も対策も曖昧になってゆく。不安。


ゆく人 (7月22日記)

西山千さん (同時通訳者、老衰、95才)

 米国大使館勤務を経て通訳に。69年のアポロ11号の月面着陸の時の生中継は今もよく憶えています。

ジャフレンコ・フェレ(ワッションデザイナー、脳内出血、62才)

 ミラノファッションの中心人物、いわゆる3G(あとはジャンニ・べルサーチ、ジョルジオ・アルマーニ)のひとり。建築家の資格を持ちながら、宝石デザイナーから服飾界へ。一時、ディオールのチーフデザイナーでもあったと、この度知りました。若すぎる死です。

飯田深雪さん (アートフラワー創始者、料理研究家、老衰、103才)

 100才を超えても活躍してはりましたが、テレビの料理番組で豪華な衣装とアクセサリーの上にエプロンを着けていたのが気になりました。

リュック・ベンソン 引退 (フランス映画監督)

 48才の引退はもったいない。「グランブルー」「レオン」「フィフス・エレメント」・・・熱狂的ファンを持ちつつ、ハリウッドからの熱烈な誘いにも乗らないで、公言していた10作品で引退するという。「これが限度、引き際を過つと、今までの作品も否定されかねない」と言う。わかるけれど・・・。


来る人

松井今朝子さん  第137回直木賞受賞者

 京都、祇園のお生まれ。選考会でほぼ満票を集めたという「吉原手引草」、読んでみたい。記者会見で「いい小説は作者を忘れさせるもの、作者の顔は見えなくていい」と淡々としてはる、大人。53才。

2007年7月21日

 ハリーポッターの最終巻「ハリー・ポッター・アンド・ザ・デスリー・ハロウズ」が世界一斉同時発売。友人には原書で読む、簡単な英語だよなどという腹立つヤツが数人いますが、こちらにはその能力も、辞書を引きつつ読む余裕もありません。主要人物が2名死ぬと予告して煽っておいて、今度は情報漏れだ、フライングだと大騒ぎして、さらに巧く人気を盛り上げてゆく商法にもちょっと引き気味です。でも、結末はやはり気になるなあ。

 先日、イタリア人家族を阪急電車乗り場まで案内した時の話の補足。最後に焦ったのは、「各駅停車」をどう伝えるかということ、思いつかなくて、「エクスプレス・ノー」などと口走ってしまったけれど、後から訊いたら「ローカル」と言えばよかったのですね。ローカルって地方とか田舎とか思い込んでいました。ちなみに「準急」は「セミ・エキスプレス」でいいそうです。


フォーエバー・タカラヅカ(7月21日記)

 久しぶりの歌劇。大和悠河(やまとゆうが)さん率いる新生宙組の公演は「バレンシアの熱い花」再演物ですが、30年近く前の月組公演(榛名由梨、瀬戸内美八、順みつき、小松美保、北原千琴・・・)を知っている自分がコワイ。フランスの支配下にあった時代のスペインを舞台に、愛と復讐の物語。スターを活かすシナリオはうまく出来ているのですが、ちょっとご都合主義の話に加え、主演コンビの歌がイマイチで個人的には陶酔出来ず。でも、大和さんは風姿が美しく、満員の客席も乗っていました。ショーは「宙FANTASISTA!」舞台機構が一段と充実。きれいな舞台でした。

 元同僚の教え子である安里舞生(あんりまう)さんは最若手、小さい役ながら、舞台隅で一生懸命演じている姿に好感がもてました。タカラヅカのええとこはこういう隅々まで力演しているところです。安里さんのこれからの成長も楽しみ。

 公演後に隣接する「タカラヅカ・フィールズ」で英国風庭園を満喫。思ったより広くて、よく出来ています。オススメ。

 元ファミーランド内のモデルハウス見学も楽しい。あちこち覗いていて、その一軒で、買う予定はありませんというのに、どうぞ内部も見てくださいと言われて、上がり込む。ツーバイフォーの家でめちゃ大きい。3階に屋上露天風呂がある。収納庫もいっぱいあってええけど、維持費がすごいし、掃除も大変そう。積年の荷物を処分して駅前のマンションに移ってしまった今の自分たちには、どんな一戸建てにも心揺さぶられないんだと改めて確認する。

 嫁ハン(髪を三つ編みにして、レースのスカート、ええ年こいて、タカラヅカ娘役風の装いで大張り切り。仕方なく、こちらも同じ色調のジャケットにレースのチーフで一応合わせる)大満足の一日でした。これで夏休みの家族サービスは終わったことにしよう(笑)。

2007年7月20日

 モンスターペアレントとまでは言わないけれど、どう考えても子供の足を引っ張っているとしか思えない保護者(?)がいます。

 ややこしい家庭事情を抱えながら、がんばって、やっと3年半での卒業(この9月にも卒業式があります)が見えてきた生徒。成績も出席も足りているのに、授業料や諸費が納まっていないので、現時点で卒業は難しい状況です。せめて、今年度の授業料減免の手続きを勧めているのに、手続きに必要な書類を市役所に取りに行かない。市役所にも話を通して、貰いに行ったらいいだけにしてあるのに、用事が出来た、体調が悪いと言って行こうとしない。生徒もこちらもいらいら。伸ばしに伸ばしてもらった最終期限が迫ってきたので、業を煮やして、市役所に掛け合い、生徒自身が取りに行ってもよいという形にして、本人が行くというと、親である自分が行くからいいといって本人に行かせない。市役所に行きにくい事情があるのでしょうが・・・。

 でも、口では生徒に早く卒業してちゃんと働いて家に金を入れてくれと言ってはるらしい。こちらの好意も通じない。電話も取らない。来週の締め切りに間に合うのでしょうか・・・。

 生徒本人には、気の毒やけれど、もう親はあてにならないから、夏休みがんばって、アルバイトを増やして、なんとか溜まった授業料等の費用を稼ごうなと言い、本人もその気になっているですが、女子生徒なので、あまり無理をしてややこしいことになってもいけないし・・・。悩ましいところです。

 給食費をはじめ、諸費用を踏み倒し、書類もええかげんのまま10年余り押し通してきて、今更変わりようがないのかもしれませんが、高校は義務教育とは違います。でも、それを説明しようにも連絡が取れません。生徒本人のケイタイのみで繋がっているあやうい関係です。


今週の酒

 アベノ近鉄の地下の酒販売コーナー。最近はどのデパートでも試飲できるのが嬉しい。ワイン、日本酒、焼酎、と丁寧に心をこめて(!)試飲して廻って、最後に焼酎720ml、(昨日のことなのに、もう名前を忘れました)を買って、そのまま路地裏のなじみの店にこっそり持ち込んで、常連さんに振舞ったら、あっという間に空。マスター、いつも苦笑いしつつ見逃してくれてありがとう。この店も再開発の波に飲まれそうです。地上げに抵抗し、がんばってはるんやけど・・・こちらも、めちゃ心配です。


最近読んだ本から(7月20日記)

椎名誠のエッセイから

土壇場菅ちゃんの燃える情熱

 僕のことかと思ったら、「スガちゃん」、菅沼昭二さんのこと、岩手県一関のジャズ喫茶「ベイシー」の店主。理想の音を追求して10年。全国からファンが集まる店になったが、市街地調整に懸かって、店をあっさり閉じる。あの音はもう作れないって。これは10年前の事。今、どうしてはるだろう?

「人生の証明」 森村誠一

 申し訳ないけれど、10分で読むのを止めました。たいがい読了するのですが・・・。なんでやろ?

「わたしの二都物語」 宮本美智子

 二都はニューヨーク、東京。ちょっと自慢臭があるけれど、やはりニューヨークで触れあった人々との交流は面白い。ブロードウェイの目指して挫折してゆく若者。ア、メリカンドリームを体現しながらエイズに倒れてゆく人々。ユダヤ人、ラテンの人々の微妙な思い・・・。

2007年7月18日

 地震被災地のある避難所で、夕食におにぎり一個。せめて漬け物一切れが欲しい、当然です。野菜も欲しい、当然です。これだけ富んだ国です。ヘリコプターも飛ばせるはず、政府の高官が視察するのも結構。でも、その人数を4人削れば、数百キロの漬け物が運べる。マスコミのヘリもしかり。ちょっと頭を使って、まず、今、困っている人を中心に物事を考えるべきじゃないかな。

 木が沈んで、石が浮く世の中。会議で疲れ果てて帰宅。老いの繰り言かもしれないけれど、やはりおかしいことはおかしいと言わずにいらえません。それで余計に疲れる。帰宅したら9時過ぎでした。

 ひきをりて  吾がため息を 聴かれたり     橋本多佳子

 蛙の合唱、蝉時雨の季節になりました。でも、一匹の蛙はもの静かで、表情豊かです。


 青い飲み物、食物

 青い色って、食欲をそそらないのだと今になって知りました。そういえばあまりない。青いカクテル、かき氷くらいか・・・。それも彩りに過ぎない。植物の世界も同じ。「青いバラ」と「いう言葉は長年「不可能」の意味でした。でも、近々、サントリーから商品化されます。


 ハゲワシ

 昔は「ハゲタカ」と言ったのに、今は「ハゲワシ」。れっきとした鷹の仲間なのに・・・。経営破綻した企業を買収するファンドを「ハゲタカ」と今でも言うように、死肉を貪る鳥というイメージが今でもありますが、実際はヒヒや牛を襲うこともある強い鳥なのだそうです、いつからイメージが、言葉が変わったの?

2007年7月17日

 16日、やっと晴れて、延期になっていた高校テニス部新人戦の付き添い。会場校なので、あれこれ準備もありますが、新入生はやはり可愛い。20校ほどから集まってきているのですが、試合が終わって、もじもじしている。あのー、帰ってもいいですか?個人戦ですから、いいんだよ、というとほっとした表情で帰ってゆく、一期一会。印象に残った生徒も何人かおりました。

 途中で嫁ハンからメール。新潟で大きな地震発生。うちのマンションもかなり揺れたらしい。

 ちょうど終わったところで雨。着替えて、大阪市内へ。心斎橋の画廊で知人の日本画展を見て、梅田へ向かう。地下鉄内で40代の外国人の男性が駅に着くたびに、一生懸命駅名を読んでいる。恐る恐る次は本町ですよ、と教えてあげると、うれしそうに頷く。聞けば懼れていたアメリカ人ではなく、イタリア人とのこと。我が部屋は「伊太利庵」です。俄然、うれしくて、元気になって、片言の英語で交流。梅田まで行って、阪急に乗り換えで三国へ行きたいということがわかる。奥様とお嬢さんふたりの4人連れ。阪急梅田乗り場まで送ってあげることにする。

 梅田駅で精算機の前に並ぶので、改札口に案内、父親が持っていたチケットをひとりひとりに渡して改札を抜けると、チケットが消えたとお嬢さんがびっくり。それでいいんですよというと不思議な表情(こちらはスルット関西のカード)。阪急まで歩きつつ話す。ボローニャから来たらしい。三国へは婦人服の買い物に行くらしいのだが・・・。キップ売り場で、ひとり180円だから720円下さいと言って、1000円預かり、券売機で三人分と一人分を買って、出てきたお釣りを渡すと、目を丸くして驚いてはる。ミラクル!というので、イエス、アイマム、マジシャンとええ加減なことを言って、握手して別れる。イイ旅を。こちらも一期一会。いつかイタリアへ行きたい。

 茶屋町画廊で友人、堀信二たちのグループ展を見る。そしてオープニングパーティ。また、たっぷり飲んでしまう。堀氏の作品は木彫のヌードですが、正面から見たら清純風、後ろから見たらエロティックという困った作り。でも、柔らかな曲線がきれいです。

 豪雨の中、アベノのいつもの居酒屋を廻って深夜に帰宅。テレビや新聞で地震の被害が拡がっていることを知る。それにしても、また生き埋めになっている救出現場を、ヘリから捉えている映像や写真に怒りがこみ上げる。声を頼りに捜索、励ましながら作業しているのに・・・どんな神経なんだろう?おそろしいマスコミの傲慢。神戸の教訓も全然活きていません。

 17日にはまた梅雨明けを思わせる、明るく強い日差しがしばし射しました。風水害に加えて、選挙も迫ってきます。どんな夏になるのでしょう?

 芥川賞は諏訪てつしサンの「アサッテの人」。初めての小説なのだそうです。「一足はやく梅雨が明けた気分」というコメントです。

2007年7月15日

 台風一過。大阪には大きな被害はなかったようですが、昨日から始まった大阪府の教員採用試験の面接は無事進んでいるのでしょうか?交通機関の乱れもありました。日本中から受けに来る人もいたはずです。この教育に厳しい時代、教師になろうという人が減っているというのは納得ですが、教育は国の根幹、人材確保、養成は最重要事項です。

 現任校で教諭を目指している講師の先生にもがんばってほしいものです。

 四国の実家も台風は無事やり過ごした様子。ただし、地域の消防団員でもある弟は、深夜まで警備の仕事があったそうです。昼は本来の仕事があるし、村で数少ない若い(といっても50代)男手はこき使われます。雨で田圃の水の心配は無くなったようですが・・・。

 市川海老蔵が松竹座の楽屋風呂で怪我、休演。不謹慎だけれど、これで「鳴神」の上人役の代役が廻ってきた片岡愛之助の奮闘に期待するし、「女殺油地獄」を今や名優の片岡仁座衛門が演じるというのがファンとしてはすごい楽しみです。仁座衛門さんは孝夫時代、この役で注目され、スターの座を確立したのです。見に行きたいけれど、今月はタカラヅカもあるしなあ・・・。

 今日は風も強く、」雲も風情あり、すばらしい夕陽が見られるだろうと思っていましたが、珍しく午後から息子たちも揃ったので、息子の運転で蕎麦を食いに行き、焼酎「峠」の蕎麦湯割りで酔って、帰宅直後に眠ってしまい、見られず仕舞い。9時過ぎに目覚めたら、友人から「夕陽が綺麗だよ」とメールが入っていました。残念。


目に留まった言葉

 「フェンシングの選手は片足がもう片方の足より ずっと発達して長い 踏み込んで突きをするから・・・」ナルホド。


最近読んだ本

「よかった、会えて」  田辺聖子

 結婚式をドタキャンされそうな中年男。相手に気に入られ押し切られた形だったのに。実は、それまでキレイに付き合っていて、きれいに別れたはずの女性が、切れていなかった・・・。せつなくて、ちょっとおかしい恋愛物。うまい。

「山歌村笛譜」田辺聖子

退職してひとり住まいの初老の男性。気楽で、生への執着もあまりない。そこへ舞い込んだ恋愛騒動。この小品気に入ってます。

「ひよこのひとりごと」 田辺聖子


大阪の昔の言葉

『 ほっちっち かもてなや お前の子じゃなし 孫じゃなし』「ほっちっち」は「放っておいて」、という意味でしょう。近所の大人の干渉を嫌う子どもの憎まれ口。でも無視するよりましです。、大人も笑ってまた叱れる。


大阪商人の軽口

「妹の嫁入り」・・・姉と相談

「袖口の火事」・・・手が出せぬ

「冬の蛙」・・・考える

「八月の槍」・・・ぼんやり

商談の際の潤滑油みたいなものだったのでしょうね。思わず場が和みます。


田辺サンの近年の感慨

「今までは黙ってついてきましたが 神様いいです もうこのへんで」

「いささかは 苦労してます といいたいが  『苦労』が聞いたら 怒りよるやろ 」

わかるなあ。一度でいいからこの人と酒を飲んでみたい。

2007年7月14日

 今日はフランスの革命記念日。「7月14日」という映画に「パリ祭」という名前を付けた先人(配給会社の人だろう)に脱帽。

 夏台風接近。運動部の大会が予定されていましたが、今日明日は中止決定。台風一過の晴天(この時期に望めるかなあ)を見越して月曜に延期。今日集まった生徒達も納得して散って行きました。でも、こちらは予定変更して月曜午前付き添いが入りました(苦笑)。

 在学中から劇団活動をしていて、卒業後上京、本格的に俳優の道を目指している教え子、

 嚴佑介(いづかしゆうすけ)クンの出演舞台、劇団「燐光社」の舞台を精華少劇場で見ました。

 題名が長い。

「『放埒の人』はなぜ『花嫁の指輪』に改題されたか、あるいはなぜ私は引っ越しのさい沢野ひとしの本を見失ったか。」

 上演時間も休憩無しの2時間半と長いけれど、その長さを全く感じさせないスピーディで変化に富んだ舞台でした。一人を複数の人間が演じ、どんどん役を入れ替えて行く演出が鮮やかです。

 昨年末の同劇団の公演「チェックポイント黒点島」は外部から竹下景子さんや渡辺美佐子さんを迎えていたけれど、今回は団員のみがフル活動で熱演。好演。嚴クンも役がぐっと重くなっていました。東京、仙台、盛岡、名古屋と廻って、大阪が打ち上げです(15日まで)。

 椎名誠さんとのコンビでも知られるイラストレーターの沢野ひとしさんのエッセイ、小説を繋いで、昭和から平成を、迷いつつ?、女性と、山と遊びと、危うい家庭を維持しつつ生きた、ひとりの放埒な男を描く・・・。ご本人が後ろの席にいて、終演後、演出の坂手洋二さんとのアフタートークのサービスもあり。

 めちゃめちゃな生活をしながら、家族からも友人からも見捨てられない不思議な人徳。虚構ではなく80パーセント事実であるという話はどこまで本当やら。でも見事な演出の割には、ひとりの男の魅力的な人物像としては描き切れていなかったように思います。それだけ多彩な(多才な)人物ということでしょうが・・・。

 沢野さんは一見色白でやさしそう。しかし会場出口で握手した手はがっしりと大きく、実は冒険家のものでもありました。

 個人的には俳優と演出の魅力、生の舞台のおもしろさを堪能しました。小劇場はいい。精華小劇場を残したいものです。 

2007年7月11日

 雨上がりの川が好きです。水量を増した川を、少し下にくだっていた鯉がゆっくり溯上している。鴫や川鵜がうれしそうに餌を漁っている。石川と大和川が合流したあとの堰のあたりは川幅も広く、大量の水が一気に落ちて、あたかもミニナイアガラの景観です。

 川の向こうの空は薄明るくなって、あちこちの山が姿を現して来ても、葛城山と金剛山だけは頂に白い雲の傘を被っている。自転車の車輪で泥を跳ね上げるのはいやだけれど、水溜りを避けながら、ちょっと重いペダルを漕ぐのはいい気分です。

 ウィンブルドン大会、男子決勝のフェデラー対ナダルの試合は歴史に残る好ゲームでした。全仏(クレーコート)の決勝で完敗したフェデラーが得意の芝のコートで雪辱し、5連覇を果たしたのですが、こちらは一進一退の白熱した試合でした。確かにフェデラーの精神力、ここ一番のサーブは見事でしたが、心身共に充実してきたナダルが芝でも、芝の王者フェデラーを破る日が近く来るように思います。

 「柿ピー」。あまり好きではありませんが、ビールのアテの定番。その柿の種のピーナッツの比率は?最大手、亀田製菓の場合、柿の種86個、ピーナッツ19個。重さのバランスは52対48なのだそうです。各メーカーがその比率に苦心しているそうですが、やはりピーナッツがもっと多い方がいいなあ。

2007年7月10日

 堺市歴史文化都市有識者会議(ものものしい名前)は今月末の会議に藤井寺、羽曳野の代表者を入れて、改めて世界遺産登録への課題を検討するそうです。古市古墳群には、応神天皇陵を含む古墳約50基(そんなにあるんだ!)が含まれるそうです。

 個人的には折角の戦災に遭わなかった古市の町並みも活かしたい。家は建て替えられているけれど、細い路地が縦横に走る町並みの活性化。古寺(7カ所くらいある)を公開し、あちこちにしゃれた店を配して、町興しが出来ると思う。そんな仕事に携わってみたいなあ。あと20才若ければ・・・。 

2007年7月9日

 初蝉。息子は昨日聴いたらしいけれど、私は今朝、石川の桜堤で聴きました。打ち合わせもなく、一斉にあちこちで鳴き始めるものですね。職場の中庭で昼休み枝から落ちてもがいていたので、救ってやろうと歩み寄ったら、その直前にひよかなにかの中型の鳥の攫われてしまいました。この光景、2年前にもあったような記憶が・・・。

 7時前に薄暮のマンションの廊下で、またもがいている蝉がいる。今度は慎重に掬い上げ、中空に投げると、小雨の空に飛んでゆきました。あの蝉、無事かなあ。

 仁徳天皇陵の世界遺産登録運動にからめて、古市の古墳群も一緒に登録するように運動が拡がるそうです。ええなあ。窓の外に見える古墳群が世界遺産。あ、そんな権威におもねてはあかん。でも、そうすれば、古市はええ面で脚光を浴びればいいな、できたら、潰れた醸造元も再興したりして・・・。


最近読んだ本(7月9日記)

「貧乏贅沢のマリア」 群ようこ

 作者がその自分との共通点を含め、強く興味を引かれた作家、森茉莉さんの実像にその「贅沢貧乏」を下敷きにして迫るという面白い構成。森鴎外の2番目の妻、しげ(「絶世の美女」と鴎外がいつも言っていた)の長女で、鴎外に溺愛された娘。16才で御曹司と結婚、二人の息子、2度の離婚。最後のすさまじい独居生活・・・(部屋の中にゴミで土が出来たという)。「幻想」好み、現実をいやがった茉莉が、どのように折り合いをつけたのか、いやつけれられなかったのか・・・。それにしても鴎外の溺愛振りはすさまじい。あれじゃあ、アカンでと思うけれど、愛の深さは着々と孫まで伝わっているのです。

 群さんはしげの方に入れ込む。ユーモアを解さない女だけれど・・・。その装い。「鼠弁慶」(灰色と黒の弁慶格子)のお召しにお納戸博多の丸帯、黒縮緬の羽織り。すごい美しさだったのでしょう。

 しげは芝居好き。晩年の言葉。役者の自主公演の挨拶を見て「あんなうれしそうな顔ってあたしは見たことがないよ。あたし達にはうれしいことがないんだから、せめて人の幸福がみたい。もう一度、あの顔を見に行こうよ」・・・ええ人やったんや。

 フランスのある夫人は仕事用、プライベートを含めて10点の衣類しか持っていない。それで1年分まかなえる。アクセサリーの組み合わせで変化を付ける、素材は極上、同じ色合い。多少の直しに応じられるカッティング・・・茉莉さんと対極にあるこの例を出して、群さんもこれだ!と思うのだが、「割り切れない」。

 森茉莉のお洒落、全身特別誂えでなく、ある部分は外す、その「外し」が粋であると感じている。お金があると、全身スキなく揃えられる。しかしそれはヤボである。本物を知っていないと、逆に外しはできない。

2007年7月8日

 安倍総理の言葉は、なぜか心に響いてきません。

 小澤さんの、「選挙に負けたら引退」発言も単に「大向こう受け」を狙ったものとしか思えません。

 「七夕会」は楽しかったです。前任校でPTAの仕事をした3年間、一緒に行事でがんばった保護者の方々との交流ですが、転勤したその7月から毎年この時期に開催し、今年は8回目。今年は14名参加。年齢が近いせいもあって、もう教師と保護者というより、仲間というか友達感覚で、言いたい放題で盛り上がります。幹事は持ち回り。今年は私も幹事の一員。

 石川の畔の、昔の歓楽街の雰囲気を残す唯一の旅館の情緒ある座敷で。納涼会席のコースに持ち込みもさせてもらって、5千円。自分で作った漬け物を持ち込む人、自家製のワイン(それって密造ちゃうのん?)を持って来てくれた人(おいしい!)、近況報告に盛り上がり、しんとし、懐かしい歌を歌い、心に沁みる一夜でした。近年、特に一年は早い。それがお互いわかっているので、来月会おうねという感覚で手を振って別れました。

 精密検査の結果、「大丈夫だったよ」と嫁ハンにメールを打ったのですが、後で思えば、ちゃんとした「潰瘍」という病気なんだ、笑ってしまいました。ピロリ菌という菌が原因らしいので、その菌を除去する薬を飲み始めました。潰瘍を治療するのはその菌を除去するのですね、そうすれば潰瘍は自然治癒するらしい。ふーむ。ただし薬が効く確率は80パーセントなのだそうです。

 桃がおいしい季節。果汁が滴る旬の桃のおいしさは抜群です。しみじみいただいて、やはりしっかり養生して、おいしいものがふたたびいっぱい食べられる体になろうと思いました。


村上春樹さんのエッセイから

バチェラー・ボーイ 1984年 ハーパース・バザールに掲載

今、一番おいしそうな独身男性10名

1 ロバート・ラウシェンバーグ

2 トム・クルーズ

3 バート・レイノルズ

4 リチャード・チェンバレン

5 デヴィット・ボウイ

6 ジョン・トラボルタ

7 トム・セレック

8 ウォーレン・ビィ−ティ

9 エディー・マーフィ

10 リチャード・ギア

 20年前の話題。1のロバートさんというのは彫刻家らしい。あとの9名は俳優、ミュージシャンですが、すべて第一線で生き残っているのがすごい。もちろん今はほとんど、独身ではありません。プレーボーイで鳴らしたウォーレン・ビーティも、中年になって、美人演技派アネット・ペニングと巡り会って、幸せな家庭を築き、キャリアも重ねています。新進スターだったトム・クルーズも今年3人目の奥さんに初めて子どもが生まれました。ちなみにこの場合の「バチェラー・ボーイ」は高級車でパーティに現れ、タキシードも似合い、その場が華やぐような独身男性を指すそうです。

2007年7月6日

 文月や 六日も常の夜には似ず  芭蕉

 七夕を明日に控え、前日からムードが盛り上がってゆくのですね。句会も連日続くのです。

 今日(六日)の雨は「洗車雨(せんしゃう)」、織姫さんの牛車を明日に備えて洗うのですね。明日降ったら、「催涙雨(さいるいう)」、文字通りの涙雨ですね。でも、新暦の七夕は梅雨の最中。やはり雨に降られます。故郷の七夕は月遅れの八月七日に行われるので、個人的には明日と言われてもピンと来ません。

 また、今年は7が揃うフィーバー七夕。明日は内外共に結婚式が多いのだそうです。

 10年ぶりに検診で引っかかり、今日、森ノ宮の癌予防センターで精密検査を受けてきました。体重も減っていたので、覚悟していたのですが、ただの「潰瘍」という診断で一安心?ピロリ菌がいるそうなので、その除去治療に入ります。

 それにしても、久しぶりの胃カメラはやはりしんどかったです。この2週間余りの精神的プレッシャーも。休日出勤して、書類を整理し、今年度自分が立ち上げた新しい科目の9月まで(半期完結科目)の教材プリントを作製し、万が一に備えていたのです。そのせいか、安心というより、拍子抜けという感じ。でも、それは贅沢というもの。

 昨夜は飲み納めかと、八尾商店の一丁340円の豆腐と枝豆をあてに、ビールをしっかり飲んでゆきました。でも、今夜は酒は控えます。折角の機会、少し生活を立て直します。 

2007年7月4日

 「インディペンデンス・デー」・・・SFにかこつけ、CGとお金をふんだんに使って大ヒットした上手な作りの国威発揚映画もありましたが・・・アメリカ独立記念日でした。「7月4日に生まれて」という映画もありました。こちらは愛国青年が戦場で傷ついて、戦争の、国家の現実の姿を知るという映画でした。どちらも作ってしまうというところがアメリカ映画の幅とも言えますが・・・。

 居酒屋でとなりのおっちゃんがしゃべったことなら、まあまあと聞き流しもしましょうが、防衛相の公的な発言となるとそうはいきません。辞任は当然でしょうが、こう次々閣僚の失態が出てくると、任命者の人物選択眼が問われても仕方ありませんね。

 先日山形の友人から、サクランボ「佐藤錦」が到来。本当に「果物の宝石」です。美しい。おいしい。心から感謝しつつ、家族でみにくい争奪戦を繰り広げました。 

2007年7月3日

 どうして、事件を起こして停学などの「申し渡し」を受けるのに、親子で、遅れて来たり無断欠席したりするのだろう?その場合に、時間前に、遅れますとか、事情があって行けませんと連絡することが、なぜ、できないのだろう?

 どうして、午前中の人がいっぱいいる公園のベンチで、抱き合って横になってペッティングに耽れるのだろう?巡回中に声を掛けると、悪びれもせず、恥ずかしがりもせず、平然と身繕いできるのはなぜだろう?水を掛けてやればよかった?

 どうして、40代にもなって、学校の教師相手に、敬語(難しい尊敬語や謙譲語などと言わない、せめて、丁寧語「デス・マス」)が使えないのだろうか?

 腹が立つと、自分の子どもを異常にぼこぼこにしてしまう親。その子がまたイジメに走る、これはわかります。そんな例が今、あまりに多いのです。哀しい現実。

 14日かかって、やっと生徒に貸した貸した雨傘を取り返しました。疲れました。

2007年7月2日

 今日は雨が降るはずでは・・・?澄んだ空、高い雲・・・爽やかな夕暮れでした。

そんな美しい季節なのに・・・

どうして、学校のすぐ傍で喫煙なんかするのだろう?巡回もあるし、近所の住民の方の苦情で教師も駆けつけ、停学等の指導もたっぷり入っているのに・・・。

どうして、知的障害を持つ子をいじめて喜ぶのだろう?

だるいから、おもろいことないから・・・言葉が通じないもどかしさ。想像力のなさ、反省する力もないのか・・・。

毎日自分を奮い立たせて、無力感と闘いながら生きています。


村上春樹さんのエッセイから

レオン・フライシャー

 有名なピアニストらしい。ピアニストの宿命、腱鞘炎( シューマンもこれで作曲家に転向したという)に罹ったが「ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲」だけを弾いて生き延びる。10年の文字通り血の滲むようなリハビリの末復帰。記念コンサートお途中で「ラヴェルの左手の・・・」を挟む愛嬌。それを受ける観客。

プロは、芸術家はやはりスゴイ。それを支える人々も・・・。

2007年7月1日

 22日の文章の続き。 生徒に貸した雨傘はまだ返ってきません。晴れたら忘れるのだそうです(苦笑)。毎日催促して、「忘れた!」」こんなのを毎日相手するのは大変です。美空ひばりの歌に「当てにならないお人は馬鹿よ、当てにする人もっと馬鹿」(車屋さん)というのがありましたが、わたしも馬鹿でした。でも、彼のためにも絶対回収します。

 授業料減免申請を薦めている生徒、やっと連絡がつきました。でも、書類を渡してもその提出がありません。給食費も諸経費も行事費も、ええかげんにしてここまで10年余りやってきたのですね。最後の段階できちんとやってくれといっても無理なのかもしれません。でも、小中がどうであろうとも、せめて、自分のいるところだけでも、きちんとやらないと、総崩れになってしまいます。こんなことで消耗するより、もっと授業に打ち込みたい。

 久しぶりに見た生徒の感動の涙。今年から開講した「現代文学講読」という授業で。

 浅田次郎さんの「鉄道員(ポッポヤ)」を取り上げました。やはり、最後の、主人公乙松が目の前の女子高生が17年前に死んだ自分の娘「雪子」だと気付くシーン。彼女が持っている人形は昔、自分が棺の中に入れてやったものだ・・・。

 シンとした教室に朗読の声が渡り、啜り上げる声が漏れる。読めない字もいっぱいあるし、つまりながらだけれど、言葉がいつか浸み込んでゆきます。文学の文章の力、影響力はまだまだあるようです。

 定年まであと3年余り、やりきる自信はないけれど、もう少しがんばってみようと思うのはこんな時です。

 仕事に追われ、あっという間の一週間。「ひと月が昔の一週間の速さ」という趣です。土曜も出勤してなんとか来週の段取りをつけ、夕方、久しぶりに1時間余りテニス。体がスポーツを欲しているようで、必死で動いて汗を流す。でも家に帰ってビールを飲んだら同じ事でした(苦笑)。また、水太りで体がたるんでいます。

 この1週間のこもごも・・・

 「ミートホープ」の工場長の「社長は雲の上の人」発言はさびしい。社長の顔つきを見たら、とても本来の「雲上人」には見えませんが・・・。「アンタッチャブル」の方が正解ではないでしょうか?

 光市の母子殺害の犯人の自己弁護にも呆れて、怒りを通り越して哀しみを催すのみ。引き合いに出されたドラえもんや山田風太郎さんも(故人ですが)迷惑でしょう。犯人は被害者の夫と初めて法廷で目があって、被害者の夫を睨み付けたそうです・・・悪意は、いや悪は改めて存在すると思わされました。

 ヨミウリのコラム「編集手帳」に拠ると、「沈黙は金、雄弁は銀」ということわざは19世紀のドイツに起こったもので、当時は銀本位制であり、雄弁の銀を上位に置いたものだという。言葉による自己主張を是とする西洋社会では当然なのでしょう。長年の疑問がとけたけれど、頭の中の切り替えができません。かつては世界に流通した銀の3分の1を賄っていたという銀大国、日本の「石見銀山」が世界遺産に登録されました。地元は、いや、旅行関係は大騒ぎらしい。

 いきなり?の大ブームに小さな町がどう反応してゆくか?欲と環境保全の狭間で、町民の智恵が試されます。


村上春樹さんのエッセイから

 1982年10月31日 映画「ポルター・ガイスト」の長女役のドミニク・ダンがボーイフレンドの殺害された事件。判決は懲役6年半、服役中に問題ないと半減、更に裁判期間が差し引かれ2年半の服役ででてくるという。ショーアップ好きの判事と、敏腕弁護士が「プアボーイが恋の激情に駆られて、自分を捨てようとしたリッチガールを絞め殺した偶発的事件」というシナリオを作ったからだ・・。

 裁判次第で殺人犯が2年半で出所してくる・・・。他国の話ではありません。それにしても、あのドミニク・ダン・・・。確かお父さんがジャーナリストで、この裁判問題を採り上げていたけれど、あれから25年、関係者はどうしているのでしょう?


行く人来る人

谷 幹一さん(俳優、コメディアン、脳出血、74才)

 新宿ムーランルージュを経て、浅草で渥美清さんらと活躍。前に出てくるタイプの脇役で印象を残しました。「夢であいましょう」が懐かしい。

宮沢喜一さん(元首相、老衰、87才)

 51年のサンフランシスコ講和会議に出席しているのです。78代首相、自民党単独政権最後の総裁、小渕内閣の蔵相・・・蓋棺後も評価は揺れるかもしれません。

 日経新聞は「首相として失敗例が目立ち、蔵相としてもばらまき財政のツケを残した」と辛口。読売は「飛び切りの鋭い頭脳と、先を見通す眼光を持ちつつ、図太い神経とは無縁であった人」として、今その眼光を借りたいと一定の評価。

 「図太い神経」を持たなかったがゆえの、政権党争を嫌った点が日本の政界には合わない面があったのではないでしょうか?個人的には数少ない好感を持てる政治家のひとりでした。今「リベラル」呼べる政治は幾人いることでしょう。

神尾真由子さん  バイオリニスト 21才

 第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝(6月29日)。豊中出身なんですね。バイオリンでは90年の諏訪内さん以来(もうそんなになるのだ!)2人目の快挙。凱旋公演が楽しみです。 



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