Kan-Kan の雑記帳



2009年7月26日
 
 「一川の 夏の光を 渡りけり 」 新聞俳壇から 東京都 望月さん
 
 裸足で、あるいはゴム草履で浅瀬を渡っているのでしょうか?キラキラ光る水面、吹き渡る風。
 
 なんとか7月の仕事を片づけて、今夜から29日まで帰省します。
 
 心配性なので、8月18日から、前期末の考査までの授業のプリントを整え、教科主任の同僚に託す。10月の文化フェスティバルと社会見学の担当分も目処が立ちました。
 
 25日はクラブ付き添いが、生徒の都合で無くなったので、ゆっくり休養。
 
 夜は7年ぶりにかつての同僚たちと阿倍野の馴染みの店で会食。30数年前の最初の赴任校での新任仲間。集まった8人のうち、すでに一応退職が6名(講師を続けている人も3名います)。現役は私ともう1名(かれは来年定年)のみ。と、すれば私が一番若かったのだ!?
 
 それぞれ会社経験や院を経ているのですね。それって、ちょっとうらやましい。もちろん事情もあったのでしょうが、幅広い経験はいろんなところで役に立つ。妙に真っ直ぐに?来てしまった自分には、他の世界を経験していない、その点のコンプレックスみたいなものを感じることがあります。
 
 ま、そんな思いは宴会中は関係なし。ひたすら、しゃべりまくって4時間。マスター自慢の料理をじっくり味わうこともせず(申し訳ない)、帰りにタッパに入れてもらいました(笑)。
 
 話題はまず健康のこと。癌体験者が2名。現在も闘病中。がんばれ。親の介護も大きな話題。おじいちゃんになった人が3名。息子や娘の進路、結婚話も・・・話は尽きななかったのですが、来年の再会を約して散会。しゃべりつつ、麦焼酎のロックでぐいぐいいったので、今朝は宿酔でした。午前中テニスで発散、というより、発汗。足腰を鍛えて、去年のように骨折しないようにします(苦笑)。大山も待っています。
 
 最近読んだ本
 
「眠る鯉」 伊集院 静
 
 短編の名手ですが、表題作はイマイチでした。眠っている鯉をそっと抱いて獲る漁法と、旧家の美しい女主人に対する、使用人の恋心(古いパターン)が噛み合いません。舞台が九州というのも「無法松の一生」という輝く先輩があります。それに対するオマージュでもないのです。中途半端。
 
 心に残ったのは「時計の傷」。官僚生活を無事終えた主人公は末期の癌。無理に退院して、湘南の高台の家で、東京からやってくる孫を待っている。その孫は事故死した一人息子の愛人が産んだもの。愛人は失踪。主人公はその男の子を自分の息子として育て上げるが、実は血が繋がってはいなかったことがわかる。
 
 それでも、愛情を注ぎ続け、無事就職の報告をして帰ってゆくその子に、愛用の時計をプレゼントし見送ったあと、庭の安楽椅子で息絶える。時計の「傷」は役人生活の中での遭遇した辛い事件の時に自ら拳で壁を殴った際にできたものだった・・・すべてを見届けたのは主人公の妻。彼女が、庭に横たわる主人公の椅子に歩み寄るシーンは、展開はわかっているのにジーンと来ました。
 
 どんな幸福、平凡に見える人生にも波乱、波風があります。

2009年7月24日
 
「 太宰忌や 列をはぐれし 蟻のゐて 」 新聞俳壇から 京都市 氷室さん
 
 「桜桃忌」というところですが、わかりやすくしたのでしょう。文壇の異端児だった?太宰治の面影をはぐれた蟻に見たのでしょうね。暑い日射しも感じます。
 
 23日の高卒認定試験対策講習。私の予想は参加2名、同僚の予想は3名。最初は2名だったのに、残り20分で1名遅参。これで3名。同僚がズバリ賞で3ポイント。通算2−3で私が逆転されました。今日、24日は6月の公開授業の代休日。来週私が夏期休暇を貰うので、勝負は8月第1周に持ち越しです。
 
 夜はサンケイ・ブリーゼで「サンケイ巴黎祭」。満員の大舞台。嫁ハン、歌唱がんばってました。打ち上げで大入り袋が出たそうです。出演者の衣装ももちろんリキが入っています(嫁ハンは青いドレス)。伴奏者もタキシードでしたが、和洋織り交ぜた客席のお客様の衣装の数々も見ものでした。
 
 代休の一日、マッサージに行った後、久々古市旧町内を散歩。個々のお家の庭が緑を深めて趣深し。さまざまな花々も。でも、旧邸がまたひとつ消えて、跡地に20軒ほどの新興住宅が建っている。東高野街道の近く、古刹西琳寺(さいりんじ)の境内は人気もなく、白く大きい百日紅が涼しげ。ここにある町内に2本ある大銀杏の一本にはもう青白い銀杏が実を付けている。ひまわり保育園横の大きな栗も実がもう大きい。秋は着実に実りの準備を進めています。
 
 夕食は嫁ハンと久々中華。坦々麺と五目お焦げ。そして餃子。もちろん生ビールも。しっかり食べて飲んで、スタミナをつけて夏を乗り切りたい。(でも、過ぎたるは・・・注意します!)
 
最近見たビデオ
 
「アヒルと鴨のコインロッカー」  2006年度作品
 
  いま最も注目を集める人気作家、伊坂幸太郎の同名小説を映画化。ボブ・ディランの不朽の名曲「風に吹かれて」にのせて、若者たちの奇妙な友情をミステリアスに描く。映画やテレビドラマなどで人気上昇中の若手俳優、濱田岳と瑛太がダブル主演。共演には関めぐみ、松田龍平、大塚寧々といった人気、実力を備えた面々が顔をそろえる。『ルート225』で高い評価を得た中村義洋が監督を務め、巧みに構成された物語を見事に映像化している
 
 若い友人に勧められて見ました。いつレンタルショップへ行っても貸し出し中で、やっと2週間待ってゲット。
 
 確かに面白い。ブータンから仙台にやって来た留学生がキーパーソン。それに東京から来た靴職人の息子の主人公が絡む。アヒルと鴨はどこが違うのか?それは外来、在来の違いなのか?本来、人は風に吹かれ漂うような不確かな存在のはず。でも、人はすぐ、休みたくなる、安定がほしくなる、従属したくなる。その中で個を貫くのは難しい・・・。
 
 小説のトリックと映像のトリックをうまく整理し分けて、後半うまく盛り上がってゆきます。それには若手の演技人の活躍が大きい。濱田岳、瑛太、松田龍平、好演です。
 
 復讐劇としてもまとまっているのですが、苦言を呈せば、ペット虐待を繰り返す犯人の若者側の行動、生態をもっと描き込めば、作品に厚みが出たと思います。ヒロインふたり(関めぐみ、大塚寧々)ももう少しうまく活かしてほしかった。
 
 冒頭で行方不明だったラジカセが最後に見つかって、それを仙台駅のコインロッカーに入れて「風に吹かれて」を流し続ける・・・神様(ボブ・ディランにもかけている)は見逃してくれる、と言って危篤の父を見舞いに東京へ帰る主人公。主人公、留学生の今後も風が知ってるだけなのかも知れません。中村監督、もう少し演出の緩急を身につければ、さらにパワーアップするでしょう。出演の若手俳優共々、楽しみな人材です。

2009年7月22日
 
 「 ごろごろと 青き音立て 梅洗ふ 」 新聞俳壇から 草津市 井上さん
 
 「ごろごろ」で丸く固く青い梅の実が犇めいている感じがでています。清冽な水も・・・。「青き音」という表現がうまいなあ。嫁はんのおばあちゃんが、和歌山、高野山の麓で作ってくれていた「封じ梅」が懐かしい。紫蘇の葉で一個一個丁寧にくるんでいるのです。もちろん、四国の母の梅干しも健在です。二日酔には梅干しを入れた冷たいお茶が欠かせません。
 
 同僚と毎朝、賭をしています。今日の講習は何人出席か?昨日、初日は、予想、私2人、同僚3人で結果は1人。私の勝ち。今日は予想、私1人、同僚0で結果は3人。私の勝ち。2−0で私がリードしているのですが、ずばり当てれば3ポイントというルールを作ったので、明日からも気が抜けません(苦笑)。
 
 講習の終わった後、部分日食をなんとか見ることができました。8分がた欠けた太陽がちらっと。薄い雲越しだったので同僚のサングラスを借りて見たらばっちり。早目に校舎の前庭に集まったメンバーはラッキーでした。その後は雲に覆われて見ることができませんでした。硫黄島付近がばっちりだったみたいですね。水星も見えたとか。悪石島は残念。杭州へ行った友人も危うし・・・。
 
 球児の夏、やはり気になります。夏の大会予選、今年度で閉校の府立清友高校が3年生11名のメンバーで逆転勝ち。勝って泣いている選手を見て、なんやジーンときました。相手チームの3年生にとっても「最後の夏」ですが、後を託す後輩がいます。日食の間、照明をつけた球場もあったようです。
 
 1昨日書き忘れたこと。今年の関西美術展、工芸が見応えありました。気の遠くなるような緻密でこころのこもった作業。今もどこかで毎日取り組んでおられるのでしょう。なんや、元気をもらいました。
 
 昨日の「暗夜行路」の補足。主人公をはじめ「生活の不安のない人々」に対する反発はありますが、人間関係で微妙に傷ついてゆく過程はよくわかります。私も今日微妙に傷つきました。でも、仕事に集中、帰って日本酒のぬる燗で即快復しました(笑)。
 
 「人間が鳥のように飛び魚のように水中をゆくということははたして自然の意志であろうか。こういう無制限な人間の欲望がやがてなにかの意味で人間を不幸に導くのではなかろうか。人智に思い上がっている人間はいつかそのため酷い罰を被ることがあるのではなかろうか」
伯耆大山の寺での健作の感慨です。句読点のほとんど無い文章が却って新鮮です。
 
 今年の「パリ祭」。7月14日のフランスの革命記念日が、いつの間にか日本では映画の題名の影響もあってか、シャンソン界の年中行事になってしまいました。各地で行われますが、「東京巴里祭」は毎年東京渋谷NHKホールで。それが中継されます。
 
 芦野宏さんが亡くなり、石井好子さんも歌えず。若手中心のリハーサルたっぷりの舞台は却ってやりすぎて学芸会みたいで興醒め。中途半端な振り付けやダンスは止めて、本職のダンサーを雇いなはれ。前田美波里さんやローリーは邪魔。ビジュアル面だけで出てくるな。菅原洋一さん、加藤登紀子さんや、戸川昌子さんも貫禄ですが、年齢、衰えは隠せません。
 
 一番気になったのは毎年司会をやってこられた永六輔さん。呂律が回らなくなっています。かつて、九ちゃんの滑舌を批判して人間関係を壊した人が、今は自分の名前も言えないのに画面に出ている。かつて言ったことのツケが来ています。出るべきではなかった。引き際の難しさ。
 
 司会のパートナーの遠藤泰子さんは流石でした。彼女の先導でフィナーレで歌われる恒例の「パリ祭」。
 
 絹糸のような あの小糠雨に
 二人は濡れて、歩いた並木
  ワルツも 流れてた
 あの 街角に・・・
 
 やっぱし、ええなあ。
 
 あれやこれやで、明日は大阪での「サンケイ巴黎祭」。嫁ハン、菅じゅん子が出演します。舞台は「サイケイホール・ブリーゼ」。さて、どうなりますやら?
 
 

2009年7月21日
 
 「 燕(つばくろ)の 巣に忍び寄る 大蛇を 打ちのめす妻は 違う妻なり 」 新聞歌壇から 萩市 斉藤さん
 
 実家の門にも燕がたくさん巣を作り、蛇がやって来ました。子を守って、親共々飲まれた光景も目にしたことがあります。蛇も生きるために必死ではあるのです。それにしても、この歌の作者は何をしていたのでしょう。過去形ではないから眼前の情景なのでしょうが・・・。
 
 解散、そして総選挙、政権交代はいいとおもうけれど、民主党にも期待できないしなあ。
 
 小泉さん引退。一見わかりやすく、マスコミ扱いがうまかった点はどこかの知事にも似ています。人気先行の人でしたが、負の遺産もきっちり残っています。それに地盤を息子に譲って、というのがアキマヘン。結局、あなたも古い体質の政治家であることを認めたのですね。「小泉チルドレン」はどうなるのでしょう?あ、議員としては引退しても、政治活動はやると言ってました。これがまたアカン。中曽根、森のような黒幕を目指すのかな?それこそ、ぶっつぶすと公言した自民党の体質そのままです。
 
 河野洋平さんも引退。何度も機会はあったけれど、政権の座に就くことはできませんでした。これも人生。
 
 明日の日食は見えるかな。40数年前?小学校の時の日食を、先生に言われて、黒い下敷きやガラスに墨を塗って観測したのを憶えています。今度は、そんなことをしたら目に危険と盛んに言っておりますが、じゃあ、あれはなんだったの?と文句を言おうにも、小学校は既に廃校、先生も亡くなりました(苦笑)。
 
 でも、校庭で、ドキドキしながら観測したのを憶えています。周りが薄暗くなる。昼の星は見えたかなあ、記憶にありません。
 
 3日間休んだので、元気いっぱいと言いたいところですが、集団健康診断があったので、昨夜9時から食を断ったための空腹、喉の乾きをガマンしつつ出勤。
 
 高卒認定試験に備えての講習は雨のためか?参加者ひとり。もったいない。
 
 一年ぶりのバリウムを飲んで(1年間って迅い!)、阿倍野ユーゴー書店、近鉄百貨店のトイレに寄りつつ、ほうほうのていで帰宅。迷ったけれどやはりビール、まちがい、発泡酒を飲んでしまう。おいしい。その結果、車で10分のテニスコートにわざわざ30分かけて電車と徒歩で行くことになりました(苦笑)。8時半からのレッスンにこれから出掛けてきます。
 
最近読んだ本
 
「暗夜行路」 志賀直哉
 
 好きな作家ではありませんが、やはり引き込まれてしまいました。人物描写、自然描写の冷徹な的確さ。主人公健作に対しては、昔ほど反発は感じませんでした。でも、やはり作家というのは付き合うのにしんどい人種です。
 
 出生の秘密、妻の過ち、それによる煩悶は、現代ではよりありふれた素材なのでしょうが、その表現は今も抜きんでて新鮮です。
 
 来月、友人と「大山ゆき」を目指しているので、図書館からかびくさい全集を引っ張り出してきました。健作のように途中で参らないよう、山頂を目指すつもりですが、そうすると、健作の味わったあの感覚が味わえない(苦笑)。やはり体調不良で、挫折したほうがいいのかなあ(笑)。
 

2009年7月20日
 
「 帰省して 兄と参りし父母の墓 荒畑目立つ みかんの島よ 」 新聞歌壇より  松原市 北岡さん
 
北岡さんも愛媛出身なのでしょうか?それとも広島?ウチは島ではありませんが、あちこちのみかん畑は荒れが目立ちます。
 
 3連休の最後の日の朝。
 
 夜来の雨に、窓を開けられなかったので、初めて部屋にクーラー(タイマーで3時間)をつけました。息子や嫁はんの部屋はとっくにがんがん冷やしているけれど、冷房の苦手な私は偶にドライを入れるくらいでした。
 
 朝5時にカーテンを開けると、雨が降っているのに、東の空の雲が切れて朝日が射している。 こんな日は朝の虹。急いで西の通路に出ると、羽曳が丘の南、府立農林センターのあたりから大きい虹の足の部分だけが立っていました。今日はええことありそうだ。
 
 ゆっくり朝食を摂って、天王寺の市立美術館へ「全関西美術展」を見に出掛ける。友人の彫刻家、堀信二の作品は今年も木彫。膝を抱えて眠る女性。浅くてシンプルな掘りとくすんだ色がいいね、とメールを送ると、あのくすみは作った後、木の中から偶然自然に沁みだしてきたものだそうです(苦笑)。
 
 彫刻の淀川さんのいつもながらやわらかく美しい作品、播間さんもきりっとした女性像でした。
 
 洋画コーナーは不満でした。今年は抽象的で曖昧な表現が多く、大きな画面を埋め切れていない。祈り、時、その他人間の微妙な感情を標題にしながら、それがイメージとして描き出されていないと感じました。パワーが欠けているのです。具象もおとなしいものが多かったです。
 
 日本画コーナーは洋画よりインパクトあり。書のコーナーは広い。書家である友人の影響で近年篆刻をよく見るようになりました。その友人を介して知り合った書家、関さん、松本さん、真鍋さんの作品、それぞれ小さな世界に言葉の宇宙を取り込み、そして開放していて素敵でした。
 
 それにしても、美術館は広くて、涼しくていい。退職したらここで時間を過ごすのもルーティンに組み込もうと思っています。ひとつだけ注文はロビーの大きなシャデリアがちょっと派手なこと。目障り。もう少しシックにしてほしい。
 
 時間があったので、初めて美術館前の西階段を下りて(ここから仰ぎ見る美術館はいい)、新世界へ。歌謡劇場、通天閣、串カツ屋、将棋、囲碁、マージャン屋・・・雑多、混沌、猥雑、人出も多い。でも、妙に活気がない。なんでだろう?人気の串カツ屋は路地裏にある店も行列、通天閣も30分待ち、ちょっと高めの店はガラガラ。上滑りな感じは、この街を愛して通って来る人より、観光客の方が多いというところにあるのかも。路地の自販機の前で卒業生のカップルに会いました。どちらもビックリ。
 
 無料開放中の動物園にも20数年ぶり訪れる。木々が生い茂って、昔、なんでここに大阪ドームを誘致しなかったのだと思っていましたが(事実、その案もあったのです)都会に今、こういうスペースがあってもいいと思いました。でも、動物はどれも暑さでぐったり。北極熊が氷を砕いて中の餌を食べようと躍起になっているのが可哀想。コアラは寝ている。夜行性動物のコーナーが新鮮でした。
 
 暑さに鈍感なので気が付かなかったのですが、象さん、キリンさんはじめ、街全体が活気なかったのはこの蒸し暑さのせいだったのかもしれません。
 
 さすがに喉が渇いたのですが、動物園内にはビールがないので、天王寺地下の赤のれんで、ビールの小瓶とじゃこおろしで一服。630円。帰宅したら4時。万歩計は1万3千歩を示していました。今度は発泡酒で、久々非番の息子(彼は梅酒)と乾杯。そして昼寝。いい3連休の締めでした。これで明日からまたがんばれます。
 
最近読んだ本
 
「 LOVERS 」
 
 江国香織さんから唯川恵さんまで9人の人気女流作家の恋愛アンソロジー。ざっと通して、やはり男性の側にパワーというか野性が失われ(これを草食系というのか)、恋愛の主導権が取れない、ふわふわした儚いというか、歯ごたえの弱い恋愛が多いと思います。それでいいのかもしれないが・・・。
 
 谷村志穂さんの「キャメルのコートを私に」、切ない、しかし腹のすわった若い女性の不倫を描く唯川恵さんの「プラチナ・リング」が印象に残っています。
 

20009年7月19日
 
「 一粒の麦 地に落ちて 清志郎 ロックンロールは 棘ある実り 」 新聞歌壇から 岡山市 佐藤さん
 
 昨日掲載した公田さんの歌の前にあった、つまり第1席に選ばれた歌。挽歌。「棘ある実り」がいいなあ。多くの粒がこの世で撒かれ、育っているはずです。
 
 テニスで疲れ果てた休日第1日でしたが、夜になっても休みに入った嬉しさは消えない。うとうとしつつ、ビール、焼酎を飲みつつ、読書、ビデオ、パソコンに向かって午前4時半まで過ごす。気持ちのいい夜明けの空気を吸い、朝刊を読んでおやすみ。9時過ぎまで爆睡。
 
 部屋の片づけや、溜まった書簡の整理などしているうちに正午になる。早速、ビール。夕刻、クラブ試合付き添いの終わった友人が迎えに来てくれて、石川畔の店でビールとパスタ。これがまたおいしくて大満足。頼んでいた本も手に入り満足。帰って、先週分も合わせて2回分の「天地人」を見る。ちょっと上滑りになってきているけれど、息子の梅酒を飲みつつ見てしまう。
 
 あー、もう満足。こんな日が送りたかったんだ。もう夏休み終了!と叫んで、我ながらその貧乏性に苦笑いする。そして、まだ明日も休みがあるんだと、確認して、ほくそ笑む。
 
 そして、夜半、突然の雷雨。こういう時、マンションのベランダは絶好のビューポイント。富田林、喜志のあたりに稲妻が鋭い角度で墜ちてゆく。ぴかーと周囲が明るくなる、その後に雷鳴が轟く。稲妻が折れ曲がっているのは、そこで雷が一休みしているのだ、と昔、近しくしていただいた物理の先輩教師が教えてくれたことを想い出しました。ものすごく短い「休み」です。
 
 嫁ハンがガラス窓の内から、怖くない、危ないよ!と叫んでいるけれど、怖いけど、気持ちええんや、と叫び返す。雷雲は近づかず、羽曳野をかすめて10分あまりで生駒の方へ去ってゆきました。
 
 中国杭州へ皆既日食を見に行くという同僚の話に、昨秋の中国旅行のレポートが完成していなかったことを想い出しました。
 
中国への旅 最終版
 
 憧れだった「西湖」を満喫。最終日を前に前倒しで行程を終えていたので、半日のんびり荷物整理と思っていたら突然の腹痛と吐き気。結局、出発までの10時間あまりを苦しんで過ごすことになりました。
 
 今、思えば・・・明らかな食べ過ぎ、飲み過ぎ。ツアーの一行は私が感心するくらい食に(私から見たら)ワガママ。これはマズイとか、口に合わない、もう結構とか、はっきり言ってあまり食べない。これが外国旅行のひとつのコツなのですね。
 
 私は胃に自信のあることもあって、どこへ行っても残さず、出されたものはなんでもパクパクいただき、もちろんどんな酒もしっかり飲む。このツケが最後に来たのでしょう。腹痛は飛行機に乗ってやっと治まりました。
 
 掲載中、結構人気だった(笑)綾部からの「不良中年5人組」は最後まで元気でした。上海の空港でも、ひとり足らないとかで騒ぎまくり、関空で、飲酒運転あきまへんで、と念を押して別れた後、我々が、迎えに来てくれた友人の息子さんの車に乗ったら、前にばたばた走っている見慣れた雪駄とバーミューダパンツの一群。窓を開けて、どないしました?旅行カバンを間違えて、人のを持ってきてしもうた!思わず苦笑いしつつ、気を付けて!と叫ぶ。今日も綾部で仲良くケンカしているのでしょうか?
 
 上海の茶店で買った「一葉茶」。二千円ほどでしたが、小さな葉茎1本が1リットル余りの湯に溶けて、これが先日16日まで私が職場へ持参するペットボトルの中身でした。9ヶ月毎日飲めたわけです。
 
 「肝臓に効きますよ」という、深いスリットの入ったチャイナドレスの美女の説明にいかれたわけですが、買ったのは正解でした。入れ物だった小さな丸い厚紙の筒、これからは眼鏡立てに使おうと思っています。
 
杉浦日向子さんのエッセイから
 
正しい酒の呑み方 七箇条
 
1 酒の神様に感謝しながら呑む
2 今日も酒が飲めることを感謝しつつ呑む
3  酒がうまいと思える自分に感謝しつつ呑む
4 理屈をこねず臨機応変に呑む
 
5 呑みたい気分に内蔵がついてこれなくなった時は、便所の神様に一礼して、謹んで軽く吐いてから、また呑む
6 呑みたい気分に身体がついてこれなくなった時は、ちょっと横になって、寝ながら呑む。
7 明日もあるからというのでなく、今日という1日を満々と満たすべく、だらだらではなく、ていねいにしっかり、充分に呑む
 
 酒好きの私としては1から4までは賛成、5から7は反対
 
 無理し過ぎてはいけません(ちょっとの無理はステキ)。しんどくなったら寝る(吐くなんてもったいない!もってのほか)。財布と相談しながら、終電車を、明日を気にしながら呑む、家では適当にだらだら呑む、それでいいのです。
 
 杉浦さん、呑みすぎ!(私に言われたくない?でも、だから早死にしちゃったんだ)
 

2009年7月18日
 
 「 湯に沈む 熱き抵抗 懐かしく 久方ぶりに ひかり湯へ行く 」 ホームレス 公田 耕一
 
 先週の朝日歌壇では馬場あき子さんが2席に採ってはりました。これでまた「ひかり湯」を廻り、幻の歌人探しが始まるのでしょうか?「ひかり湯」は「ひさかた」と合わせて「ヒ」の韻を踏むための創作された名前かも知れません。
 
 それにしても、私も長い間お湯に浸かっていないなあ。ずっとシャワーで済ませています。明日くらいゆったりお湯に入ろう。マンションの風呂は構造上密室なので、どうも解放感に欠けるのです。そうだ、やっぱし銭湯だ!
 
 事件の続いたこの3ヶ月余り、課題をいっぱい残しつつ、なんとか一区切りつきそうに見えた17日。短縮授業が終わるころからじわじわ解放感がこみ上げてきてうれしくなる。
 
 午後2時から、伸ばし伸ばしにしてきた社会見学の下見(実施は10月)に出掛ける。前日にやっと予約したのです。午後の熱気にネクタイが暑いけれど仕方なし。JR天王寺の紀勢線プラットフォームで、青い旅行バックを背負った男の子が、黄色い線から身を乗り出して、興味深そうに特急「はるか」が入ってくるのを見ようとする。その度に、お母さんらしき人の厳しい叱責の声がベンチから飛ぶ。でも、また繰り返す。どちらの心理もよくわかります。これからお母さんの実家にでも帰省しはるのかな。男の子の身体がいかにも嬉しそうに弾んでいる。じいちゃんばあちゃんも待ってはることでしょう。
 
 私は快速で鳳へ。乗り換えて「信太山」で降りる。住宅地が駅側まで迫り、駅前商店街もない(パチンコ店とスーパー「玉出」とあと数軒)鄙びたたたずまい。これで天王寺まで20分あまりの街?
 
 北へ歩くこと10分ほど、ちょっと東に入ったところに、高い煙突と古めかしい風雅な造りの和風建築が見える。ここがSガラス。最近人気のとんぼ玉などのガラスはここが中心で、教室なども持っているという。文化財登録をしているという古めかしい事務室で、ひとり対応してくれたおじさん?が、肩書きのない名刺の名前から察するにこの店の当主。80年の歴史を持っているとのこと(屋敷はもっと古い)。お茶を出されたのでいただくとこれが冷えた紅茶、甘さがうれしい。
 
 とんぼ玉をやっている友人の話などしてると、なんと当人が窓の外に。お互いびっくり。当主も「お知り合いでっか?」驚いて、とたんに場が和やかになり、わいわい盛り上がる。友人はこの店の馴染みで、材料のガラスを買いに来たらしい。工場を案内してもらって、実施予定日の見学の有無など確認して、車で送るわ、という友人の誘いに礼を言って断って、店を辞去。
 
 新しい見学先を開拓しようと来てみたのです。来週の担当者の会合で報告、検討しますが、学校からの距離、時間、見学内容などで総合判断になります。希望制なので、ガラス工芸に興味を持つ生徒がどれくらいいるかもポイント(私は大好きですが・・・笑)。ガスバーナーが燃える作業部屋で、細かい細工に励む若い職人さん(5名)の姿に清々しいものを感じたのですが・・・。
 
 天王寺に引き返して、同僚達28名と、とにかくの打ち上げ。私が学校を出た後も、また夕刻まで事件に関する会議があったそうです。申し訳なし。ともかく、ビールで乾杯。そのあと老酒と日本酒で酩酊。シンデレラぎりぎりで帰宅したらしい(苦笑)。今朝は久々の二日酔いでした。
 
印象に残った言葉
 
 全英オープンゴルフを見ながら書いています。決勝ラウンドに進んだ久保谷(くぼや)選手がホールアウト。まだ優勝争いにからむチャンスがあります。37才。17才、石川遼くんの予選落ちは仕方がない。まだまだ先がある。
 
 マイケル・ジャクソンの死去に絡んでのさまざまな言葉の中に「若くして、叶わないはずの夢が叶ってしまうほど不幸なことはない」とありましたが、それはひとつの真実だと思います。石川くん、ゆっくり夢を叶えてください。
 
 昨年切り抜いていた記事を発見。大倉集古館で開かれた西陣の山口伊太郎さん(101才)と安次郎さん(99才)の二人展。伊太郎さんは「源氏物語錦織絵巻」(去年は源氏千年紀でした)。安次郎さんは能衣装。
 
 織り職人の家に生まれ、12才からこの道で生きてきた。60代から、商売抜きに織りを追求してゆこうと考えたそうです。そして今も一日数時間、機(はた)に向かう。
 
「これからの人生も人をだまさんと、誠心誠意やっていこう」
 
「これまで・・・やってきた」でなく「これから・・・いこう」なのですね。
 
 伊太郎さんはこの10年、風邪も引かないという。
 
「お元気ですね」
「いやいや、あきまへん。九十五、六がピークどしたな」
 
脱帽。久々の土曜テニスで炎天下4時間、半死半生で帰ってきた若僧の私です。
 
昨日の天王寺駅の男の子はもう田舎に着いて、馴染んでいることでしょう。
 

2009年7月12日
 

 「 梅雨に入り 『泣くの歩くの死んじゃうの』 この三択を諾(うべな)う朝(あした) 」 

 ホームレス 公田耕一さん

 たしか、いしだあゆみさん(30数年前、ボーイッシュなアイドルタレントから妖艶な美女に変身しました)の歌でした。「あなたならどうする」。歩かなければ、食も見つからない。梅雨に振り込められて、ひもじい思いをしてはるんでしょう。

 大分県の高校野球部のバス事故。犠牲者(奈良県からの野球留学生)も、容疑者(運転手、野球部顧問、教諭)も気の毒。

 数年前の夏に、帰省のフェリーで神戸から乗り合わせたのが同校の甲子園帰りの野球部員と応援団でした。大浴場でも一緒でした。更に、知人が同校出身(しかも野球部で、今は後援会会長ーどうしてはるやろ?)だったので、妙に親近感を覚えていました。

 土曜の朝、車で2ヶ月振りの歯科定期検診へ向かったはずでした。ところが車から降り立ったところは市民図書館の駐車場。一瞬パニックになる。ここはどこ?自分は何をしようとしているのか?最近よくあることではあるのですが、やはりショックです。歯医者の予約時間には間に合いました(苦笑)。

 「だれでもよかった」と言っている無差別殺人の容疑者。「社会が悪い」と言っているようですが、これもいつものパターンで「お前が悪いんじゃ!」とテレビ画面にツッコミを入れてしまいます。ほんとにマッタク!

 昨年度担当した生徒の続き。

 学校生活に馴染めず、1年以上、授業には出ていなくて、3月に退学したいと言っていたが、授業料滞納の為、手続きができない。病気の祖母、母と3人暮らし。彼のバイト代も貴重な収入。除籍の道を勧めたが、いや、授業料を払って辞めますからと、健気。バイト先でも気に入られて、元気に働いてはいるらしい。正社員になれる可能性も出てきた、と言っていました。

 新年度に入っても、払い込まれた様子なし。新チューター(担任)と相談して、生徒を呼び出して話し込む。やっぱり払うのは厳しいです。そうやろう、自主退学と扱いは同じだからと、出席停止、除籍の手続きを改めて勧め、彼のケイタイで母親のケイタイを呼び出し了承を取って(普段は電話に出られないー家には電話がありません)手続きをする。重荷が取れたのか、さっぱりした顔つきで帰ってゆきました。おかあさん、おばあちゃんを大事にな、がんばれよ、と声を掛けて送り出す。いい子でした。

 厳しく親から取り立てよ、無理なら本人に払わせ、と言うてはる知事さんには悪いけれど、現状を見れば、そこまで出来ません。せいぜい滞納が膨れあがらない内に手を打ってやることが精一杯です。もちろん「復学」の方向も残っているのです。ちなみに、わがグループの生徒の滞納額は延べ50万円を遙かに越えています。入学金以来、2年余り、全く納入していない生徒も数名います。さらに補足すれば、授業料減免の生徒も半数を超えています。

 でも、一方で「退学防止せよ」の号令。本当に学びたくて学べない生徒は励まし、引き留めるべきですが、中学にも全然行ってなくて、いやいや高校に来た、卒業する意欲もない、遊び回って、問題を起こし続ける生徒をどうするのか・・・。知事は、がんばれば出来る、はい上がれるというけれど、それもきれいな正論だろうけれど、それが難しいこの格差社会の現状をどうみてはるのか。伺いたいところです。

 腰痛の治すべく、また情報交換を兼ねての月一の温泉行き。今回はみんな忙しいので、近場の太子温泉へ現地集合。私は飲むために、電車で「上の太子」へ。

 意外なことにマイクロバスの迎え口は改札無人の北口。ニュータウンが控える南口と違って、駅前には駐輪場兼売店以外店もなし。無人の駅前で待つこと10分、迎えに来たマイクロバスには客2名。約10分で緑滴る谷の太子温泉へ。窓外の景色が美しい。

 今日は休日なのに人も少ない。車で来た友、自転車で来た友と落ち合い、3人でたっぷりしゃべって、温泉に浸かる。露天風呂の向かいの山には紫陽花が咲き乱れています。帰りに古市でビールを飲んで4時半には解散。でも、気持ちよくストレス解消出来た半日のミニ旅行でした。

  最近読んだ本

「食・道・楽」 杉浦 日向子  その1

現代の江戸人の最後のエッセイ。本の腰巻きに「人間は食の入れ物である。だからこそ、大切な人とおいしく食べたい。ひとりでも、温かく、心豊かに人生を過ごしたい。食の喜び、道具の楽しみ、楽の憩い。五感をたっぷり潤わせ、限りある命に乾杯しよう」。

ご自分の死を予感してはったのだろうか。この項、続けます。


2009年7月11日
 
「 五月晴れとは 梅雨の晴れ間 歩くこと 休み一日洗濯をする 」 ホームレス 公田 耕一さん
 
 先週は2首入選していました。どこで洗濯してはるんだろう?やはり公園かな。冬とこの時期の健康が特に心配です。もう一首は明日に。
 
 またまた慌ただしい毎日で、HPの更新もおぼつかない一週間でした。
 
 火曜日夜に腰を痛め、水曜日朝は歩くたびに激痛が走る始末。タクシーで行こうか、車で行って、職場近くの有料パーキングに入れようかなどと悩んだ挙げ句に、車で学校まで出勤。意外にすんなり車通勤許可が下りる。職員室の隅にあったダンボールの丸い筒を杖にしてゆっくり歩く。
 
 板書も控えめに、プリントを使って授業。生徒がいそいそプリントなど配布を手伝ってくれる。木曜に杖を離し、金曜はだいぶ楽に歩けるようになりました。でも、こんな時に限って、自分のグループに事件や問題が続出。金曜夕方までばたばたして、夜は一緒に車で帰った近所の同僚と駅前で一杯。これでやっと一気に元気回復。酒飲みは単純なものです(笑)。
 
 しんどい時はあれこれ悩まないこと。無理せず、素直に甘える、訴える、その方が周囲も気が楽なのですね。
 
 木曜に見た不思議な夢。
 
 嫁ハンが空飛ぶオートバイを運転するのです。私はその後部座席に乗っかって、四国へ飛んでいったりするのですが、なんせ方向音痴で運転の下手な嫁ハンのこと。いくら指示をしても、空の道?を間違えたり、あちこちぶつかったりして、怖い痛い思いをする。空からの景色も楽しめず、やはり、地表を行くのがいいという平凡な結末でした。
 
 東京の両親にゴミ箱に入れられて窒息死した二才の男の子。もう、なんと言ったらいいのやら・・・。
 
 今の担当グループもいろいろあって心配は尽きませんが、昨年度担当したグループの生徒のその後も心配。
 
 ミニ家出を繰り返して、半年前からとうとう帰らなくなった男子生徒。出会い系サイトで知り合った年上の女性といるらしい。母ひとり子ひとりだった。母親は病気と闘いつつ、彼を育ててきました。連絡が途絶え、ケイタイのアドレスも変更されたので、息子の籍だけ残して新年度を迎えてやっていた母親も覚悟を決めました。
 
 先日来校されたので、新チューター(担任)と一緒に対応しました。今年度ここまでの授業料を払われて、退学届けを出して行かれました。再発した病気の手術を近々受けられるそうです。ひとまわり小さくなられて、深く頭を下げてゆかれた姿が忘れられません。
 
 Sクン、今なら間に合う。一度、家に帰っておいで。でないと、一生後悔するよ!
 
最近読んだ本
 
「ローマ人の物語 31 終わりの始まり [下] 」
 
 内乱に突入した帝国の頂点に立ったのは、アフリカ生まれのセヴィルス。後の敗退した将軍たちは実績も人望もあったのに、動きが鈍かった。「ルビコン川」を渡った以上、躊躇してはいけなかったのです。それにしても内乱は人材を損ない、国を衰弱させる。
 
 そして、セヴィルス。彼の施した軍人への優遇策がやがて軍部の強大化と暴走を生むことになってゆく。悲惨な境遇を改善するために行った、善意から出た政策が裏目に出ることもある・・・政治の皮肉です。
 
 これで文庫本は終わり。「ローマ人の物語」は後、単行本で6巻あるのですが、なんとかどこかで借りられないかなあ。

2009年
 
 生徒間のトラブルを仲裁しながら・・・「きちんと相手と話せない、その分、メールで過激な表現で挑発しあう」・・・桜井の事件でも同じような状態があったのではないでしょうか?
 
 耳栓をしていて、「火事だ、逃げろ!」という叫びが聞こえなかった・・・。
 
 そして、また「誰でもよかった」という容疑者の声・・・。気が滅入ります。

 万歩計

携帯電話を携帯しわすれること多し。なんとかしなきゃ、と思っていて、万歩計みたいに持くことにさらに付加価値があればいいのに、と思って、全体表示をみたら、あるのです!万歩計の機能が。

早速、セットして使い始める。月曜は校内巡回があるので、一日1万7000歩まり、平日は1万ちょっとくらいで、スポーツマンタイプなのだと!?ポケットに入れているのですが、どれくらいの精度があるのかはわかりません。が、まあまあ動いているほうなのでしょう。ちょっと安心。でもそのわりに痩せないなあ。

作家の宇野千代さんは、かつて自宅の2階に、窓際をぐるりと巡る一周100歩の廊下を造り、一日100周していた(確かに一万歩)そうですが・・・。すごいなあ。

全英オープンでロディックがフェデラー相手にフルセットにもつれこむ大健闘。勝てたかも知れない試合でした。終わったのは午前2時半。

なかなかフェデラーに勝てなかったロディックは捲土重来を期して、体重も7キロ落として調整したそうですが、最後の最後にブレイクされました。いくつかの勝負の波を最終的に微妙に引き寄せたのは、やはりバランスが取れたプレーをして、大舞台慣れしているフェデラーだったということなのでしょうか?

個人的には優等生のフェデラ−より、荒削りで不器用なロディックのファンだったので、残念ですが、仕方ありません。サッチ・イズ・ア・ライフ。


2009年7月5日
 
「 どの緑 よりもやわらか 雨蛙 」 新聞俳壇から 神奈川県 沼田さん
 
 昨日の記事、「佐藤しのぶさん」と書くところ、斉藤さんと書いてしまいました。お詫びして訂正させていただきます。
 
5月以来の早朝座禅。ここんとこ、飲み過ぎて就寝前のストレッチをさぼっていたので、足を組むと、股関節が痛くて、集中するのに時間がかかりました。反省。 
 
 忘れないうちに先週行ったライブの話を。
 
 老松通りの画廊で開かれた、ベーシスト、斉藤徹さんの演奏はステキでした。今はジャズのジャンルに組み入れられているようですが、その枠を超えて、アルゼンチンタンゴ、韓国のシャーマン音楽、バッハまで、ひとりで90分の熱演でした。今は羊の腸の弦を使っているそうで、見せていただいた指は、思ったより柔らかいものでした。
 
 「倍音」と呼ばれる独特の重い響きが腹まで応えます。指で弾くだけでなく、楽器を横たえ、弓を2本使って演奏するシーンもありました。
 
 終わって、近くの半地下の中華レストランで演奏者を囲んで会食。隅の方で、よかったなあ、と呟きつつビールを空けていると、隣に座った友人が
 
 「カンサン、いつもよかった、よくなかったとはっきり言うけど、どこで判断してんの?俺はそれがようわからんのやけど」と率直な質問。
 
 「ウーン、僕はなあ、退屈かどうかで判断するねん。はよ終わってほしいというんじゃなくて、もっと聴きたいと思い、引き込まれて時間を忘れるような演奏や作品がええねん。映画も、本も、彫刻も同じやけど・・・」
 
 酔った頭で、咄嗟にそんなことを言ったようです(苦笑)。
 
 ウインブルドン男子決勝を見ながら・・・。バランスの取れたフェデラーより、荒削りなロディクが好きなので、つい肩入れして見てしまいます。第5セットにもつれ込む熱戦。もうすぐ午前2時です。
 
最近印象に残った言葉
 
森光子さん 読売新聞夕刊での松任谷由実さんとの対談でー
 
 後進に伝えておきたいことは・・・ちょっといやだと思う人と会話することが必要。自分の目が曇っていることもある。逃げないで声を掛けること。
 
 年取ったら、もういやなヤツとは付き合いたくないと思うと思うのですが、88才にしてその謙虚さ、向上心、すごい。
 

2009年7月4日
 
 「インディペンデンス・ディ」 アメリカの独立記念日です。「7月4日に生まれて」という、オリバー・ストーン監督(好きではありません)トム・クルーズ(興味ありません)主演の映画もありました。
 
 昨日、授業でその話をして、どこから独立したのかな?、と問うと、フランス(惜しい!)、ロシア、インドという答えがありました(苦笑)。
 
 センセー、ほんで、日本の独立記念日はいつ?休みは?
 
 あるやろ?建国記念日が。
 
 なにそれ?
 
 しらんのかい?2月11日、神武天皇が・・・
 
 誰?それ
 
 橿原神宮で・・・
 
 どこ?それ
 
 身近に歴史にあふれる地があるのに・・・国の起源?歴史?を語るのは難しい。作られたものである部分も多いですが、それを国威発揚に利用するのもいやですが、自国の歴史にきちんと向き合わない風潮も怖いと思います。
 
 フランスの革命記念日は7月14日、日本では「巴里祭」の名前で親しまれています。シャンソン界のイベントの「巴里祭」も定着し、今年は嫁はんも出演。大阪では23日(木)にあります。よろしければ・・・。
 
 先週日曜日が嫁はんの北新地でのライブでした。ライブハウス「ポケット」は真ん中にグランドピアノそれをとりまくガラスのカウンター、その廻りにソファーが取り巻いている、ええ感じの店。かつて「サウンド・イン・S」という音楽番組があって、そのセットに似ている。
 
 私はいつもカウンターの端の目立たない席に座るようにしています。ところがこの日は、近くのラウンジ「シャンブル・ド・マチコ」のマチコママが来ていて隣に座らはってしまった。
 
 新地の名物ママは銀座に比べて、「きさくで小柄で美人はいない」という伝説を裏切って、マチコママは気さくだが大柄で斉藤しのぶさん似の美女。身体の大きなふたりがわいわい言い合って、しっかり目立ってしまいました。でも、久々の新地の風。疲れていたけれど、気分転換になりました。
 
 朝の通勤路。公園の側で、軽自動車を停めて、中年の作業服の男性がケイタイで大きな声で叫んでいる。「お寺にどうする!」「一千億なんてどこにある!」どうやら、認知症のお母さんかお父さんと話しているのだろうか?悲鳴に近い声が更に高くなってきたので、足早に通り過ぎました。
 
 ウインブルドン女子決勝はビーナス姉妹の対決。今回は妹セレナが圧勝。連日の熱戦の影響を受けて、われわれの草テニスもつい大振りになって、荒っぽい試合を繰り広げた土曜の午後でした。
 
 今週の土曜の宴会は、年に一度の、前任校のPTA仲間の集まり。転勤してから毎年やっているので今年で10回目。それぞれの人生、子どもが巣立ち、結婚し、孫が生まれ、親を介護し・・・12人の近況報告だけで盛り上がり、3時間があっという間でした。一年なんてあっという間、明日またね、という感じで手を振って別れました。
 
 来年の会は7月3日です。骨折でこられなかったAさん、おみ足お大事に。またね!
 

2009年7月2日
 
 「 わが生の あらむ限りの 幻や 送りし旗の 前を征きし子 」
 
 「 貧しさの 中に育てて 成人せり 戦死せし子よ 今日の食足る 」 
 
 いずれも30年以上前に、朝日歌壇に採り上げられた歌。作者「尼崎の小山ひとみさん」はひとり息子を戦争で失って、行商で身を立てておられたという。それからどうされたのだろう。追慕と悔いと無念の思いをかみしめながら生きられたのでしょうか。
 
 そんな思いに駆られたのは・・・
 
最近読んだ作品
 
「アンティゴネ」 皆川 博子
 
 終戦直前、田舎町に東京からひとり疎開してきた美しい娘、江美子は父を戦地で、母を空襲で失った孤児。彼女に同情し、自分もかつて東京にいて、愛する兄を戦地に送ったことからこころを通わせてゆく女学校の優等生、梓。
 
 江美子はいじめを受け、梓は思いつきで傷病兵慰問の舞台で江美子に「瀕死の白鳥」を踊らせる。好評だったが、愛国婦人会んどから抗議を受け、江美子は停学に。やがて、終戦、江美子は姿を消し、復員した兵隊の言葉で、梓は兄が戦犯として刑死したことを知り、更に、
兵隊が持っていた東京の新聞で、梓は江美子の姿を見る。
 
 それは、GI相手の街娼たちが検挙され、トラックに積み込まれる写真だった・・・。江美子は傲然と胸をはって前を見据えている・・・。
 
 淡々と綴られる終戦前後の庶民の暮らしが胸を打ちます。たくさんいた江美子や梓は、戦後をどう生きていったのでしょう?
 
 「アンティゴネ」は江美子が読んでいた本、ギリシャ悲劇ですね。叔父に愛する兄を殺された王女の嘆き。梓のこころと共鳴します。遙か昔、市原悦子さんの舞台が話題になりました。



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