Kan-Kan の雑記帳


 

2010年6月27日

 

「 6月をきれいな風の吹くことよ 」  子規

 

 雨の土曜から、晴れて風の吹く日曜に。洗濯物をいっぱいして干しまくって、クリーニング店に行き、図書館で本とCDを返して借りて、1時間ジョギングしてシャワーを浴びて、ビールを飲んで、昼寝して、読書して、しっかり乾いた洗濯物を取り入れて・・・いい休日でした。

 

 夏は部屋を開けっ放しにすることが多いので、部屋の入り口に暖簾を掛けようと、コーナンへ買いに行く。いろいろ迷って芭蕉の「閑かさや」の句が入ったものを買ったのですが、帰って掛けてみたら、背景の絵がいかにもチープで後悔。でも、つっかい棒を入れて千円ほどだし、涼しげだからまあいいか。嫁ハンの部屋は市松模様のものに。こっちは正解。

 

 今年のデラウエアは甘くておいしい。駒ヶ谷の葡萄農園はあちこちに産地直売所が臨時オープンしてしています。嫁ハンもここから中元を送っていました。新鮮だし、送料が安いのだそうです。

 

 それで思い出しました。先述の今日いただいたビールは友人が和歌山で買ってきてくれた地ビール「軍艦ビール」。コクがあっておいしかった。Mさん、ありがとう!

 

 夕方、夏の楽しみ、山形からのさくらんぼが届く。Sさん、毎年ありがとう!

 

 今、テレビをつけたら、映画音楽特集をやっていて、マンドリン・デュオ「プラネット・スピリタ」が演奏している。もちろん「太陽がいっぱい」。切なく美しいメロディ。中学時代、町のジュ−クボックスで初めて聴いたときの感動を思い出しました。映画はその後で見ました。緊迫感のあるルネ・クレマンの名作。アラン・ドロンのええとこが出てました。再映画化の「リプリー」の方が原作には近いのでしょうが、やはり題名と音楽だけでも、もう及びません。ヒロイン、マリー・ラフォレの左右ちぐはぐの半袖、そして、当時の大人の女性がみな、ドロンより敵役のモーリス・ロネがいい、と言っていたのも懐かしい。もう40年以上前の話です。

 

 40年以上阿倍野、巴通りで営業していた居酒屋「淡路屋」が突然店を閉めたのが4月。店の閉じられたシャッターに挨拶状(急な事情で、というだけで理由は書かれていなかった)が張られていましたが、それも雨風に朽ちてきました。毎朝、前を通って通勤していたのですが、朝から年老いたマスターがカウンターでお茶を飲んではったのですが・・・。

 

 阿倍野筋を挟んでこちらも40年以上営業を続け、先年再開発の煽りで強制撤去させられた我々馴染みの居酒屋、「S」が場所を変えて再オープン。今度は南に下がって、ベルタの向かいの住宅地の中。裏路地の風情から、隠れ家的なムードに。木の香りと新しいカウンターがまだ落ち着きません。もう少し汚れてから?(笑)再訪しようかな。

 

 音楽が「遙かなる山の呼び声」に変わりました。1953年の映画「シェーン」の主題歌。雪村いずみさんは流石に声量、高音が衰えはったけれど、歌いきった。すごいなあ。「山が呼んでる・・・私しゃ、無宿の渡り鳥だよ・・・」懐かしいなあ。ならず者を倒し、世話になった一家を護った後、少年の叫びを背に、振り向かずシェーンは草原の彼方に去ってゆく・・・そこでエンドマーク、と思っていたけれど、実は本当の最後の場面、遙かな山に登ってゆくのです。カメラは山側からそれを捉える。馬の首に凭れるように前屈みで・・・実はシェーンは傷ついていて、山道の左右には十字架が見える・・・そこは墓場だったのだ。シエーンはかっこよく去っていったのではなく、死にに行ったのですね。暗い画面でエンドタイトルと重なり、当時の劇場では見えなかったけれど、近年のデジタル化とそれに伴う解析でわかったことだそうです。

 それにしても、監督もキャストもスタッフも何も説明しないで死んだのですね。作品は観客のものになってしまうものだから、それでいいのだけれど・・・。

 

 次が「2ペンスを鳩に」。NHKにしてはいい選曲だなあ。名曲揃いの「メリー・ポピンズ」の中で一番好きな歌です。銀行家の父親に、小遣いを銀行に貯金せよと言われて悩む幼い姉弟に、家庭教師のメリーはセントポール寺院の庭で、鳩の餌を売っている老婆から餌を飼ったらと薦める。美しいバラードで、嫁ハンのレパートリーにも入れてほしいなあ。(あ、来月嫁ハンのCDが発売になります。よろしく。)画面いっぱいに鳩の群れが旋回して、こころに残るシーンでした。この曲でこのミュージカルに深みが生まれました。もちろん、その老婆をよくよく見たら、ジュリー・アンドリュースが演じているという隠れたお遊びもあったのですが・・・。

 

 ワールドカップ(日本大活躍ー全敗を予想してごめんなさい。韓国のすばらしい健闘、でも、ウルグアイのスコレス?という選手のシュートはすごかった)や相撲の話も書きたかったのですが、ドイツ×イングランドが始まります。今日はこれぐらいにしといてください(笑)。

 

 

2010年6月26日

 

「 草のそよげば なんとなく 人を待つ 」 山頭火

 

 相変わらず慌ただしい日々。今朝になって、水曜からベランダの水槽のメダカに餌をやっていないことに気づく。ごめんごめんと言いながら、日向水を足し、餌をたっぷりやる。水底の藻の中に潜んでいた3匹が嬉々として飛び出してくる。ベランダのラベンダー(語呂合わせではありませんー笑)にも、黒法師にも謝りつつ水遣り。雨だけれど、気持ちのいい朝でした。

 

 忙しいときに仕事を残すとストレスまで溜まります。とにかく、職場で出来ることはやって帰りたい。結果毎日8時頃まで居残ることになります。以前のような休日出勤はやめようと思っているので、金曜もやはり遅くなる。疲れて地下鉄に乗ったら、同じように残っていた同僚と出会う。ふたりで疲れたねえ、あの店に行きたいね、などと言っているうちに盛り上がり、ちょっとだけ寄ってみようか、ということになり、阿倍野の店に寄る。予想通り常連おふたりが笑顔で迎えてくれる。

 

 料理の腕、抜群のマスターが作ってくれた鯖の煮物、里芋、餃子、どれもめちゃおいしい。寄ってよかったねえ、と溜め息をつきつつ、私より年輩の常連おふたり(女性)に甘え、いつものように憎まれ口を叩いて、「そんなことを言うのはどの口じゃ?」と口を捻られ、マゾ的快感に酔い(笑)、職場では年長者の自分がここでは弱輩者扱いされる気楽さに浸り・・・ストレス発散の1時間でした。これも一応仕事を片づけてきたからこそ。

 

 それでも、その夜見たのは、やはり仕事の夢でした(苦笑)。課題はいっぱい残っています。

 

 進路の相談で微妙なのは、やはり学力や勉強法や、会社、受験先の決定ではなく、卒業、資金の問題です。進路が決まっても卒業できない。合格したのに入学金が払えないケースが近年増えています。推薦、特に指定校推薦で進学する場合は大きな問題になります。奨学金を含めて対応を考えますが、なんとかなるみたいな考えが、親子共に強く、不安が残ります。奨学金は借金なんだよ、返さないといけないんだよ、学生生活も忙しくてバイトばかりしてはおれないんだよ、と繰り返す日々です。

 

 最近印象に残った言葉

 

 10年もアイドルに拘り、今は「ゴミみたいな仕事」をしている、ヒロイン、イナミが「いいかげんあきらめることができたら、楽になるのになあ」と呟く。

 

 マコトが答える

 

 「なあ、夢をあきらめたら、ほんとに楽になれるのかな?逆にどうしてあのときもう少しがんばらなかったのか、あとで後悔するんじゃないか。おれにはよくわからないけれど、あんたはまだ全力を使い切っていないから、夢のほうがあんたに期待し得て離れてくれないんだよ」

 

 マコト自身、閉塞感を感じつつ、やさしく慰める。    「池袋ウエストゲートパーク]」より

 

最近読んだ作品

 

「しょんべん吉左衛門」 山本 兼一

 

 京の道具屋、若夫婦の真之介とゆずは、ベテランたちの思惑に翻弄されながら、成長を遂げてゆく。

 

「気をつけてお帰り」 宇江佐 真理

 

 「髪結い伊佐治捕り物」シリーズも、最近主役は、伊佐治が髪結いに通う同心、不破龍之進に移ってきています。これはシリーズではあり得る事態。その龍之進の結婚。花嫁は「きい」。不幸続きだった「きい」の幸せを読者はみんな喜んでいます。

 

 

2010年6月20日

 

「 うれしいことも かなしいことも 草しげる 」 山頭火

 

 友人からのメールにこの句が添えてありました。国やぶれて山河あり、夏草や兵どもが夢のあと、の流れを感じます。山頭火もまた漂泊の詩人でありましたが、その漂泊の度合いは他の詩人より格段に深い?感じがします。この「草」は信州や東北の草の柔らかめの色合いでなく、中国や四国の、色濃いたくましい雑草のように思います。荒れ田も、屍も埋めて隠して生い茂る草・・・。

 

 インターネットに接続出来なかった一週間。やっと回復したと思ったらまた停止。結局J:COMに来て貰うことにしました。これがアップできるのは火曜日になると思います。

 

 滅茶苦茶忙しいけれど、それなりに充実した日々。それはやはり生活指導担当から離れたことと、今年度「普通のクラス」を担当していることによるものだと思います。事件がらみの対応や会議、不登校や無気力な生徒、モンスターペアレントの対応に追われた日々は、やはり充実感より徒労感が大きかったのだ。

 

 なんのかんのと言いながら、ワールドカップサッカーを見てしまいます。これで愛国心を煽ったり、国政から目を逸らさせたりする意図があったりするのでしょうが、とくかく世界で最も運動能力に優れた男達の動きを見ているだけでおもしろい。全米オープンゴルフも、もうすぐはじまるウインブルドンテニスもすごい選手の集まりだけれど、やはりスケールが違いますね。

 

 それにしても日本チーム、がんばっています。全敗を予想していた私は反省。失礼しました。決勝トーナメント進出がかかったデンマーク戦、盛り上がりそうです。

 

 そそっかしい友人が酔って、「ワールドカップ」というビデオを買わされて帰って見たら、裸の美女が写っているばかり。こちらは「世界のおっぱい」の意味だったのですね(笑)。どう考えてもネタだと思うのですが、その友人をよく知っているだけに?今でも半分信じている私です。

 

 閑話休題。6月11日、以前にこの欄で取り上げましたNHKのドラマ「火の魚」がモンテカルロ・テレビ祭で最優秀賞を受賞したそうです。よかった。

 

 「新参者」終わりましたね。ちょっと気取っていたけれど、演技巧者が揃って、楽しく見れたドラマでした。

 

 最近印象に残った言葉から

 

鶴我 裕子さん

 

 3年前に定年退団した元NHK交響楽団の第1バイオリン奏者。この度自伝を発刊。

 

 「私たち全員分と同じようなギャラをひとりでもらって、指揮者は待遇がよすぎますよ。下積みの楽士たちの声なき声を伝えたかった」

 

 退団後の今は、バイオリンを手にすることはほとんどない。「右手の筋肉がぼろぼろ。体がスエジュールを知っていたかのように、退団と同時にビリビリッときました」

 

 最後までぎりぎり無理をしていたのですね。私も、来年退職したらどうなるのだろう?

 

国分 拓(こくぶん ひろむ)さん

 

 こちらはNHKのディレクター。NHKスペシャルで放映したアマゾンの広大な深い森に住む先住民ヤノマミ族(ヤノマミとは「人間」の意味)の取材記録を本にまとめた。それを作家の河合香織さんが評しています。

 

 生まれたばかりの嬰児の背中に足を乗せて首を絞める14才の母親。その場に居合わせた著者が顔をそむけると、女達は笑い出した・・・。

 

 母は自ら殺めた嬰児を白蟻の巣に入れる。そしてしばらくしたら跡形もなくなる。年間20名ほど生まれる子どもの半数はそのようにして葬られる。生まれたばかりの子どもは精霊であり、人間にするかどうかは女性が選択するーそうして人口調節をしているのだろう・・・著者は衝撃を受け、帰国後も吐き気と夜尿症に悩まされた。しかし「不安であっても不快ではなかった」という・・・。

 

 善悪や規範を超え、ただ真理だけが存在する世界。見たくないものを覆い隠し、汚いものを排除し、その上で善人ぶる我々の社会の対極にあるのかも。安易な理解を拒むほど深い人間の本質。

 

 番組は見逃しましたが、映画でなくテレビで(しかもNHKで)、どこまで放映したのだろう。

 

最近読んだ作品

 

「風酔ひ」 村山 由佳

 

 最近とみに性描写に冴えを見せる村山さんの近作。成功している京都の葬儀社社長の娘、千桜は病死した伯父の残した家を片づけに貴船川沿いの旧宅を訪れる。そこで思いおこされる30年前の出来事。伯父は幼女の千桜の体に触れ、千桜も幼いながらその愛撫に馴れてゆく・・・。後味はよくないが、うまいなあと思わせる筆さばきです。

 

「かぐや姫の嫁入り」 重松 清

 

 地方の企業城下町。友人の結婚式に集まった昔の仲間達。花嫁は高校時代からこの町の女王様だった「真理子」。さんざん周囲を振り回したあげく、東京から来た男に入れあげ、妊娠、そして捨てられたことを信じないで、男が式場にやってきて自分を連れ去ってくれると思っている。そのおばかな真理子をまるごと引き受けたのが、お人好しの「英雄」。やきもきする英雄の旧友たち。

 いらいらさせられる展開ですが、とにかくもちろん男は現れず、予定調和で話は一応終わるのですが、これで一段落とは思えない。シリーズ化されるので、またいらいらしながら読むのだろうなあ(苦笑)。

 

「海の音」 北原 亞以子

 

 幕末の長崎を舞台にした外交秘話というか、世界情勢、イギリスやアメリカ、ロシアの台頭とオランダの衰退、その影響を受けざるを得ない長崎の町と奉行はじめ長崎警護の武士達、そして商人たちの物語。

 

 主人公の海産物問屋の若主人、忠兵衛は、気骨あるこれも若い奉行、松平図書頭康英と懇意になり、共に長崎の町運営に力を尽くすが、イギリス船の長崎湾不法侵入という事件に翻弄されることになる。

 

 康英は筋を通して切腹。忠兵衛も後を追おうとするが、彼を慕う血の繋がらない妹お楓に止められる。切ない青春小説として読める作品です。

 

「東慶寺花だより おゆう」  井上 ひさし

 

 鎌倉の駆け込み寺を舞台にした人気シリーズの一編。もう体調も悪かったのでしょうが、作者の話の運びは手馴れたものです。

 

「花つぶて」  山本 一力

 

 土佐を舞台にした戦国絵巻。魅力的な男女が活躍するが、この作者の作品はしばしば結末が暗い。この作品も努力して堪えて、白を築き、成功を目前にした主人公の前に不吉な兆しが現れるところで幕になる。こういう後味の悪いのはイヤ。

 

「北口アイドル・アンダーグランド」 石田 衣良

 

  池袋ウエストゲートパークシリーズは傑作とそれほどでもないのがはっきりしているのですが、これは後者かな。でも時代を切り取る腕は流石で、風刺もぴりっと効いて、いつもながら文章も冴えている。

 題名は池袋にあるライブハウスや小劇場がほとんど地下1階にあることから。そこで歌う地域限定アイドルを地下アイドルというのだそうです。その空川否美(うつかわいなみ)に身辺警護を頼まれた、池袋の町の便利屋「マコト」はその小さな世界で生きる人々を知ることになる。30過ぎても、売れなくても、歌にこだわる否美の思い。鬱屈した思いをアイドルに陶酔することで晴らす孤独な都会の若者、中年。おもしろい。やはり傑作?いや佳作。

 

 父の日の夕方、上の息子と婚約者の連名でビールが届く。今週を乗り切って、週末に味わっていただくことにしましょう。

 

 

2010年6月13日

 

 パソコンの調子が悪く、インターネットに繋がりません。このHPのアップもおぼつきませんが、とにかく書けるときに、書いておきましょう。今日は貴重な休日。ちょっと体が空くと、爆睡しておりました。

 

 今夜「はやぶさ」が帰ってくるのですね。昨秋の遠足時、市立科学館の全天周画面でドキュメント(よくできていました。ナレーションは篠田三郎さん)を見て感激したものです。

 

 それにしても大気圏で燃え尽きる探索機、その流れ星を見ようと、何千人もオーストラリアの砂漠の村ウーメラに日本から観光客というか天文ファンが押し寄せているらしい。私もゆきたい。燃え尽きる前に投下されるカプセルには小惑星「イトカワ」の小石か砂が入っているのでしょうか?

 

 しかし、九州の半分の大きさがある豪軍実験場(先住民の方々の居住区という報道もあり。どっち?)とはいえ、宇宙から見れば微小な所によく戻ってくるものです。

 

 ワールドカップサッカーは、やはりすごい。メッシのプレーに魅了されました。あれだけ騒がれ、マークされても、きちんとボールを支配して、シュートまで持ってゆく。どこででも自分のプレーが出来るのですね。得点こそなかったけれど、その動きはすばらしいと思いました。

 

2010年6月12日

 

「 喜寿の海女 揃ひて弾む 磯開き 」 

 

 新聞俳壇から 志摩 中條さん

 

 「潮騒」の季節です。志摩の海。77才の海女さん達もいるというのが、すごいけれど、後継者がいないということもあるのですね。

 

 ご心配いただきましたが、HPを更新できないほど忙しい日々でした。なんとか週末に辿り着き、休日出勤は避けたいので金曜遅くまで職場に残り、空腹を抱えて帰宅。発泡酒を飲みつつ、ワールドカップを観戦。南アフリカVSメキシコ、ウルグアイVSフランス。サッカーに詳しくはありませんが、そのスピード感、高い技術、身体能力を堪能しました。多くの人が思っていると思いますが、とても日本チームがベスト4なんて花火を揚げられる世界ではないと思ったのですが(失礼)。ま、サッカーは、番狂わせが比較的起こりやすい世界だといいますから、ちょっぴり期待もして、好プレーを楽しみたいと思います。

 

 でも、あの独特の応援のラッパ?の合奏。私の耳には虻の羽音に聞こえて、ちょっと耳障りです。あ、民族楽器らしいです。ブブゼラというのですね。失礼しました。

 

 それにしても、いろんな選手がいる。南アフリカのチャバララ、フランスのトゥララン、どちらもいい選手ですが、名前も印象的です。

 

 期待していた開会式をNHKも中継しなかったのは何故?いくら試合がメインといっても、普段あまり報道されない南アフリカの文化や芸術を見たかったのに・・・。

 

  水曜の夜に、四国の故郷の町に住む同級生Oくんから電話あり。2月の同窓会で44年ぶりに再会、交際が復活して時々電話をしあっていたのです。関西(なんと五條ー近くにいたんだー)に就職していたのだけれど、お父さんが亡くなられて帰郷、結婚、離婚(子どもさんは奥さんの方へ)、今は90才を超えられたお母さんを、働きながらひとりで介護しています。お母さんは、この春から、うちの母がいた病院(すでにうちの母は転院)に入院してはります。

 

どうしたん?

うん、なんだか声が聞きたくなって。

大変やろ?毎日朝夕、病院へ寄っているん?

うん、洗濯物もあるしね。毎晩、帰ってから、洗濯機回すんよ。

これから梅雨だから大変やね。

うん、乾かない時は、コインランドリーに乾かしにゆくんだ。

お母さんどう?

うん、肺炎を起こしてね。心配しているんだけど・・・。

 

 この時期の肺炎は気になります。故郷の弟に電話して、なにか情報が入ったら電話してな、と声を掛けておく。金曜の夜、弟から電話。Oさんのお母さん、亡くなられたらしいよ。告別式は12日と聞いたけど・・・。

 

 梅雨入りを前にして亡くなられたんだ・・・。12日、土曜の未明に目が覚めて、Oくんに手紙を書きました。

 

最近印象に残った言葉

 

菅新首相の12年前の著書「大臣」から

 

 「民主主義というのは『交代可能な独裁』だと考えている。国民もこの4年間はこの人たちに任せる、という意識で投票すべきだ」

 

 トップダウンで政治を進め、結果への審判は選挙で仰ぎ、責任を取り、交代する。慎重な議論も大事だけれど、新首相のいうことに一理はあります。毎年首相が替わる国って、世界から信頼されませんよね。

 

 

2010年6月8日

 

「 正論を 険しき顔で 説かるるも 理解と納得は 同一ではない 」 

 

新聞歌壇から  横浜市 水口さん

 

 理論で押し切ったからといって、相手が支持してくれるとは限らない。それが人間関係の面白さ、ややこしさ、難しさ・・・。政治の世界はもちろん。議論好きの新首相に、そこんとこ、しっかり抑えてほしいものです。

 

 最近印象に残った言葉  堀 文子さんのエッセイから

 

 あのけなげな日本人は姿を消した。富と効率を追い、祖先の残したこの国の衣・食・住の美しいしきたりを完膚無きまでに捨て、利潤追求のために自然破壊に暴走を始めた日本人の豹変。勤勉とつつしみ、忍耐がいつの間にか日本から消えた。変貌は日本だけではなかった。世界の資源を人間の為のものと思い上がった文明の傲慢が今、地球さえも危うくしようとしている。(中略)

 

 ひとつの文明の終焉に立ち会うことになった今、私はしきりに老子を読んでいる。(中略)

 

 私が原始を求め山中の草庵に草木と共に生きる道を選んだのは、名利を求めず卑俗を嫌った父の影響だと思っていたが、老子の思想の影も見えるのだ。父は老子の無為自然の哲学そのもののような超俗の生活を送り、世におもねらず、子どもの甘えを許さなかった。だが、反抗を繰り返す私に、父は無言で信奉する老子の思想を伝えてくれたのではないかと思えてきた。

 

 老子に共感しながらしきりに、語ることのなかった亡き父を思う夜更けである。

 

 老子に惹かれるその気持ち、わかります。

 世界を放浪し、80代ヒマラヤに登った行動の画家、堀 文子さんについて、いやお父様についてもっと知りたくなりました。

 

 最近知った言葉

 

「トップヘビー」 

 

 船の重心が高い位置にある状態をいう言葉らしい。不安定であぶない。「鳩山丸」の転覆もこれが原因だったのですね。「重し」を外して?新しい船出をしたけれど、いつ「選挙上手の実力者」としてしゃしゃり出て来はって、新しい船のバランスを崩すかわからない危うさも。

 

イカを「烏賊」と書くわけ

 

 イカは頭のいい動物で、時に死んだフリをして海面にふらふら浮かぶ。カラスがしめたとばかりに食いにかかると、突如反転して10本の腕で締め上げ、海中に引きずり込んで逆にカラスを食ってしまう、カラスいとって海賊だから「烏賊」ー小池光さんの文章からーだれがそんなこと見たん?考えたん?中国の古い伝承らしいです。

 

 

2010年6月5日

 

 「 それぞれにすこしはしゃいだ送別会 もうこの町に来ることもない 」

 

 新聞歌壇から  静岡市 堀田さん

 

 いろんなことがあったのでしょうね。でも、きちんと送別会はセットされ、それぞれ参加して(不参加の選択肢もあったはず)、明るく振る舞って、こころにはっきり区切りをつけて町を去ってゆきます。大人の態度。昨日の北沢さんの作品でも感じましたが、世の中には理不尽、どうしようもない悪意、運不運や、皮肉な巡り合わせが存在します。そこで最後までどう生きてゆくか、難しいなあ。

 

 よく晴れた土曜日。でも外へ飛び出す元気なし。こんなことはほんとに久しぶり。もったいない、という言葉に追いまくられ、ついどこかに出掛けないと損のように思ってきました。でも、休むときはいい天気の休日の午前でも休まなければ。とベッドに横になったら、生徒から電話が入りました(苦笑)。

 

 午後は炎天下の下でテニス。体調が悪いのになぜかプレーは好調。全仏オープンテレビ観賞の成果か(苦笑)?帰ってシャワーを浴びて測ったら、この半年で7キロの減。このペースでゆきたいものです。今夜のビールはなんとか我慢できました(笑)。

 

 最近読んだ作品

 

「 極悪専用 」  大沢 在昌

 

 人気作家の新シリーズ。流石に手馴れていてうまい。

 裏世界の大立て者を祖父に持って、それを隠れ蓑に、東京の夜、クスリ、女、もろもろの犯罪・・・やりたい放題やってきたアホ孫、拓馬が、見知らぬ男達に拉致されて、連れ込まれた郊外の高級マンションはおそろしい世界だった。

 人一人しか通れない迷路のような通路を通って入り口へ。ゴミの日に出されたモノは手に手榴弾を握りしめた切断された片腕。それにも冷静に対応する管理人は耳まで口が裂け、ゴリラのような体型の白籏という男。この男の下で一年間働くのが、実は祖父から彼に科せられた仕事だったのです。祖父はアホ孫の行状を知って、役に立たなければ殺していいという条件でここに放り込んだのだ。

 俺の青春は終わったと嘆く拓馬。もっと苦しめ。これからの展開が楽しみです。

 

 

2010年6月4日

 

 「 もう登ることのなき山 滴れる 」 

 

新聞俳壇から  東京 古川さん

 

 年取ることは、少しずついろんなものを諦めてゆくことなのでしょう。登山もそのひとつ。でも、ゆっくり山を眺めることもできます。

 

 来週から国会などで忙しくなるから、急やけど今日でお別れな、と言うと、センセーホンマに辞めるの?と訊かれました。ごめん、冗談です。ご親戚ですか?ともよく訊かれますが、縁戚関係はありません。でも、お陰で名前の書き間違えは減るだろうと期待しています。

 

 中間考査3日目、消しゴムと間違えてライターを机上に置いた生徒あり。これは冗談ではすみません。生活指導へ。

 

 上の息子から「みづえさんの写真を送ります」とメールに添付ファイルが。見れば、略礼服の息子の傍に訪問着の小柄な中年女性が。「彼女」とは違うし、何かの冗談かと「みづえさんって誰?」と送るとー。

 

 「この前電話したやろ?友達の結婚式のことで、服やらスピーチやらの相談をしたやん。その時、友達(お坊さん)の知り合いの相撲部屋の親方夫婦が来はるって言うたら、それ高田みづえさんや、有名な歌手やったんやで、また報告してな、と言うてたやろ?」

 

 もちろん、憶えておりません(苦笑)。息子は高田みづえさんのアイドル時代は知らないのだけれど、息子のスピーチの前に一曲歌われた(演歌「旦那さま」だったらしい)のを聴いて、めちゃうまかったでえ、と申しておりました。確かにアイドルの枠を超えた歌唱力を持ってはりました。「硝子坂」「私はピアノ」「潮風のメロディ」「そんなヒロシに騙されて」・・・なつかし彼女ももう五十路を迎えるはず。おやじに頼まれまして、と言うと、快く写真に収まってくださったそうです。

 

 それにしても、酒を飲むと(それも少量で)記憶が無くなることが頻繁になりました。もういちいち反省もしません(苦笑)。一応ここ数ヶ月は休肝日を週に数回作っていたのに、最近の繁忙さに、それも守れず、つい酒に逃げてしまう。今日こそ飲まないでおこう、と毎朝思うのですが・・・(苦笑)。

 

最近読んだ本

 

「真相」  横山 秀夫

 

 10年前に通り魔に殺された息子。やさしく、祖母思いで、優秀だった・・・。父親である主人公はそのことから立ち直れないでいる。ある日、別件から犯人が挙がり、その自供によって、事件の真相と思いがけない息子の素顔を知らされる。家族崩壊するようで、かすかに希望を持たせるラストが哀切です。構成も見事。

 

 故郷に帰り、祖父の地盤を引き継いで、村長選挙に立候補した青年の抱えていた秘密と苛立ちを描く「18番ホール」。最後に救いのないどんでんが返しが来ます。ゴルフ場に開発予定の山裾には、かつて主人公が殺した女性が埋めてあるのです。

 

 リストラされ睡眠剤の実験のアルバイトをする男を描く「不眠」。未明、前の職場に行ってそのビルの前で涙を流す。そこに突然降りかかった殺人事件の疑惑を晴らすため、嫉妬を込めて、幸せそうだった近所の中年男を告発する。ところが彼も実はリストラされていて、しかも犯行をあっさり認める。それが不自然なことに気づいた主人公は・・・。これも構成が巧み。

 

 学生時代、過酷な空手部合宿でしごきで死亡した仲間の死を封印してきた男達が十年ぶりに再会して起こる葛藤。合宿シーンがリアルな「花輪の海」。

 

 誘われて加担した強盗事件で服役した主人公が、どん底から幸運もあって這い上がるかに見えたけれど、最後にもういちど過酷な試練が襲う「他人の家」。

 

 どれも、人間の二面性、心の暗部をきっちり描いて、悲劇ではあるのですが、絶望的な気分にならないのは、人間の弱さに対する作者の暖かい目があるからでしょう。

 

 

2010年6月3日

 

「 草笛を 吹きし葉 山羊に 与へけり 」

 

 新聞俳壇から  志摩市 田島さん

 

 不器用で草笛は吹けません。学生時代、小諸に旅した時、田の畔道で草笛を吹いてはる人がいました。藤村の「歌かなし佐久の草笛」の地です。あまりに嵌ってしまうと、ちょっとしらけるものですね。ポーズを取っているその笛を山羊が奪ったらおもしろかったでしょうね。

 

 多忙な日々。家に帰った時は疲れ果てていて、全仏オープンテニスも意識朦朧で見ています。それにしても、1昨夜の辻さんもそうですが、プロはすごい。14才(中3)の彼女は、ひとりで世界ツアーに何度も参加しているようです。今月末からのオランダ遠征もひとりで行くとか。学校はおやすみ。

 

 大変やろ?荷物も多いし、言葉は?一応英語がなんとか通じるので。毎晩ホテルで洗濯してるのです。えらいなあ。

 

 荒れる今年の全仏。セリーナもシャラポワもフェデラーも敗退。シャラポワを打ち破ったエナンの強さ。0−2そして0−40から挽回しました。そのまま、決勝へと思ったら、彼女も次の試合で敗れる。男女とも戦国時代です。あ、男子はもうひとりの本命、ナダルが残っているなあ。

 

 就職、進学に向けての写真撮影が始まる。きちんとした服装をと言っているのですが、なかなかです。特に女子。襟元をはだけているから、もっと絞めてというと、苦しい、ださい、これで勘弁して・・・とうるさいこと。そんな問題ちゃうやろ?自分の進路がかかっているんやで、人事担当は若い人ちゃう、俺みたいなおじさんが見て、だらしない格好はその時点がアウトになるわ、と言ってもなかなかわからない。

 

 書き漏らしましたが、1日の夜、11時過ぎ、二上山の雄岳の山頂から19夜の月が上ってきました。それが見られた幸せ。

 

 最近読んだ本  どちらも友人Tちゃんの提供。ありがとう。確かに私にお薦めというのに納得。

 

「蛍坂」 北森 鴻

 

 ビアバー「香菜里屋」を舞台に、マスター工藤が客にまつわる謎を解く第3弾。ここでやっと嵌りました。短編5編が収録されているのですが、それぞれに凝った仕掛けがなされ、今まで鼻についていたそれが、慣れてくると楽しみになってくる・・・。あまりヒットしないで、ちょっぴりマイナーであってほしいシリーズです。

 

「陰の季節」  横山 秀夫

 

 まったく新しい警察小説の誕生と激賞を受けた作品群。確かに面白い。事件の謎解きより、警察内部の葛藤を描くD県警シリーズ第1弾。狂言回しは警視の二渡(ふたわたり)真治。4編収められている中で、個人的には婦警の悲哀を描いた「黒い線」が印象的でした。それにしても、どれもレベルが高く、エンタテイメントを保ちつつ重い。

 

 

2010年6月2日

 

 昨日、HPをアップ出来なかったのですが、その時の文章は「あんたに辞任を迫られたくはないわい」。参院選挙を見通して、退陣を迫る小沢さんに対しての思いを代弁した?ものですが・・・。

 

 一夜明ければ、この事態。まあ、こんなところですね。それにしても、1年保たないとは・・・。これで4人連続の短期政権?さて、後任は?菅さんは○○のよしみはあり、市川房枝さんを担いではったころの若々しかった時分から拝見してきたけれど、ますます「いらかん」になって、官僚や部下を怒鳴ったりしてるのがいやだなあ。岡田ハンは真面、小沢さんの影がちらちらするのは、なんともはや・・・。

 

 昨夜はテニスレッスンに行くと、なんと先日最年少プロになったばかりの辻佳奈美さんが来てはって、一緒のコートで打つという幸運に恵まれました。でも、すごいボール!うなりをあげて突き刺さってきます。ついこちらも力が入って、疲労困憊。でも、楽しかった。冥土の土産じゃ(笑)。

 

「世界最高のクラシック」 許 光俊

 

 ニクラウス・アーノンクールについて筆者の筆が冴える。「アンノンクール」と思い込んでいましたが、こう表示されています。カラヤンはクラシックの国際化、産業化を目指したが、アーノンクールはクラシックはヨーロッパのローカル音楽だと宣言する。飛行機嫌いで来日は一回だけ。ヨーロッパ内の限られた町を電車で移動する。

 その誇張した表現には賛否あるが、彼の特長は演奏が「美しくないこと」にあるという。それがなぜこれほど受け入れられるのか?その存在感、訴える力の強さだというのですが・・・。

 

「男、はじめて和服を着る」 早坂 伊織

 

 祖母に縫って貰った大島があるのに、もう四半世紀、袖を通していない。帯も結べないだろう。退職したら改めて和服の生活を見直そう。スーツより割高だけれど、大事に着れば、息子にも譲れるだろう。おしゃれを楽しむパーツも多い。和服で飲みに行ったらモテるかも、立ち飲みはやめて、和服の美人女将のいる店のカウンターでなけりゃ・・・と妄想が脹らむ入門編でした。

 

「ローマ世界の終焉」 ローマ人の物語 15

 

 通勤電車で読み続けて来た長編を、やっとこの連休で読了。

 

 1300年に及ぶ巨大帝国の興亡のドラマもやっと?完結。最後は矢張り愚かな支配者が続くのですね。忠臣や、能ある武将も出てくるのですが、それを活かすリーダー、指導者がいない、活かすどjころかむしろ潰してしまい、敵に利してしまう始末。江戸時代もローマも現代日本も似通っているように思います。

 


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